Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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| 2005年05月14日(土) |
『Unspeakable / Bill Frisell』 |
光ヶ丘公園をぬけて谷原交差点を冨士街道に入る。北裏を南下する。デニーズ吉祥寺北町店を過ぎる。下連雀4丁目を過ぎる。 昨夜のような思い出が過ぎる。25年前の新聞配達をしていた夜が漂う。
地図をひらいていて府中競馬場周辺を目が走ったとき、3さいになった長女の手をひいてダービーの馬券を買いに歩いている自分が見えた。 正門前からかたぐるましたことや、途中にある公園でブランコに乗ったことを、昨日のことのよう。
義太夫の国宝的CDやバッファロースプリングフィールドのCDを聴きながら、輝かしいその音のリアリティに。 未来をながめるようなトキメキを、これらの音源に感じる。 今年リリースされたビル・フリーゼルの、すべて変化球で完全試合するルーキーをベンチから繰る名監督然とした見事さに感服することも。
『Unspeakable / Bill Frisell』 2005年ノンサッチ製、ハル・ウィルナー制作。 タイコのケニー・ウォルスンKenny Wollesen、ベースのトニー・シェアTony Scherr、は、Slow Pokeというバンドをやってて、『At Home』というファーストアルバムがすこぶる自然で歓びにあふれた奇跡のようなセッションだった記憶がある。 この『Unspeakable』がぼくらの意識を自由にするのは、変化するフリーゼルの演奏よりも、ウォルスンとシェアが叩きだすナチュラルな空気といったものである。ある意味これだけ平易なセッションでありながら、そこここのアレンジの“くすぐり”といったものがサウンドをチャーミングにさせ、なおかつ夕餉の支度を待ちながら夕焼けをながめてはしゃいでいるような気分にさせるのは、ま、やはり音楽は魔法だってこと。 これもぼくたちの時代のジャズなんだ。
編集CDRから友部正人の「トーキング自動車レースブルース」が突然流れる。
駅前は朝までレース場 200台もの自動車が ブレーキを軋ませながら ついでに命まで軋ませているんだ 自動車が宙返りするたんびに 人生がさかさまに見えるんだから ほんとにステキだよ!
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