春の風 - 2009年03月01日(日) ここ数日の陽気にあてられたのか、週末はひたすら眠った。 日曜の夕方、久しぶりに学の夢を見た。 一人暮らしをしていたころの部屋に学がいる。 学はこたつに入って寝転がって寝ている。 「学、元気?」 と尋ねると、うーん、と気持ちよさそうに伸びをして 「元気」 と答えた。 わたしはとてもうれしかった。 なんだ、よかった。 学が死んだのは気のせいだったんだ、とわたしは思った。 「学、エビフライたくさん買ってきたよ。食べて。」 学は食べない。 うつむいたまま、ただ黙っている。 鳥のから揚げだったら食べてくれたのかな。 小さなサラダも横に添えた。 けれど弱ってるときに、こんな脂っこいものを買ってくるなんて、わたしは気が利かない。 しかしわたしの財布はもうからっぽで、これ以上健康に良いものを安く買うことがもうできなかった。 わたしは立って、部屋を見渡した。 そこはわたしの部屋ではなく、学の部屋で、学の身体が横たわっていた場所の床が黒く変色している。 ああああーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!! とわたしは金切り声を上げて、部屋を飛び出した。 逃げているのか。 どこに向かっているのかわからない。 学、何もできなくて。 何もできなくて、ごめんね。 力がなくて、ごめんね。 無力でごめんね。 何もできなくて、ごめんね。 限界が訪れたのはわたしが弱く無力だったからだ。 もう、どうでもいい。 くらい、くらい、まっくら、まっくら。 わたしなんか、家族がいなくなったらもうひとりで生きていけばいいんだ。 それがいちばんお似合いなのだ。 「誰かを守るための強さ」なんて。 自分の中に信じていた私がばかだった。 -
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