日記...マママ

 

 

- 2008年03月27日(木)

――相変わらず暗いね。
――そうだね。
――明るい話をしようよ。
――今週末から、いよいよスイミングスクールに行きます。
――ついに行くんだね。
――ついに行きます。
――楽しみだね。
――うん。泳ぐのは久しぶりだね。
――得意ではないけど、好きだよね。
――うん。好きかも。
――あいまいだね。
――再開してみないとわからない。
――案外、そんなに好きじゃないかもしれないよ。
――そのときはしょうがない。
――他の運動を探そうか。
――スポーツクラブの中にあるスイミングスクールだからね。
――他の選択肢も見つけやすそうだね。
――新しいことを始めるのは楽しいよね。
――あとは無理せず長く続けていきたいね。
――そうだね。
――楽しみだね。
――うん。

――気持ちは明るくならないね。
――慢性的にくもりの日が続いているよ。
――でもまあ、みんなそんなものなんじゃないのかね。
――そうかね。
――そうだと思うよ。いつでも元気いっぱいなんて人はうそっぽい。
――少し安心した。
――普通、普通。
――わたしは普通かね。
――普通だと思うよ。
――そうかね。
――そうだね。

――よし、じゃあ普通に生きていくよ。
――いまさら何を。
――普通に生きていけるよね。
――今までだって普通に生きてきたじゃない。
――いやさ、いろいろあったじゃない。
――あったけどさ。
――しんどかったわけですよ。
――うん、でもね。みんなそれぞれ、いろいろあるのよ。
――そうだね。
――まあ、こうやって普通に生きているわけですから。
――普通にしててもいいのかな。
――いいと思うよ。

――あー。
――なに。
――難しいと思う。
――なにが。
――普通に生きるのが。
――どうしたの。
――うーん。怒られた。
――誰から?
――黒い人から。
――なんて。
――わからんけど。
――なにそれ。
――えーと、こう、「だめ!!」って、そういう波動を送られた。
――ちょっと何言ってるの?
――黒い人は、わたしが機嫌いいと、いやみたいなんです。
――うん。そうね。それは見ててわかる。
――黒い人は、何者なんだろうね。
――どうも父親の影を引きずっているね。
――そんな気はするね。声色が父に近いし。
――今の父親はただの初老のじいさんですけどね。
――「初老のじいさん」って変だよ。
――うん。とにかく性格は丸くなった。
――丸くなったよね。
――怒鳴らなくなった。
――八つ当たりもしなくなった。
――捌け口にされることもなくなったね。
――前からこうだったらよかったのになあ。
――それはNGワードです。
――はい。
――黒い人は、お父さんなのかなあ。
――どうなんだろうね。
――なんにしても、もうちょっと平和的に共存していきたいのだけど。
――うーん。
――無理なのかな。
――わからないなあ。
――父親が死んだら泣く?
――それが、わからない。
――いや、泣くでしょう。なんだかんだ言っても。
――そうだといいんだけどね。
――正直、泣く自信がないんだよね。
――いや、泣くと思う。よい思い出を思い出して泣くんだよ。きっと。
――母親は?
――父と同じだね。
――なんか…。冷たい娘だね…。
――いや、泣くよ。いざそのときになれば、きっと泣くはず。
――そうじゃなくて、こんな想像を淡々としてる時点で冷たいよ。
――うん…。
――でもうちは普通だよ。いたって普通の家庭。
――そう思い込みたいんだよね。
――思い込まないといけないんだと思っている。
――ちょっと普通じゃないほうに踏み越えちゃってるところもあるけどね。
――うん。でもさ。
――なに?
――それを列挙したところで、何が変わるのかな。
――お医者さんが知りたがっているよ。詳しく。
――生育環境がわたしの精神構造にどんな影響を与えたか、ってことだよね。
――たぶんそういうことでしょうね。
――それって、でも過去のことだから、何とでも言えてしまうよね。
――いくらでも悪いようにも言えるし、何もなかったかのようにも言える。
――こないだ話してみたけど、なんか途中で話切られたよね。
――必要なかったのかもしれん。
――じゃあいらない情報なんじゃない?
――わからん。
――どうするのよ。
――そもそも、これって医者に解決できることなの?
――さあ…。
――なんか、正直、当てにならない気がするんだよね。
――まあ、そうね…。
――しんどさをやわらげることはできるだろうけどさ。
――黒い人を消し去ってしまうことはできないのではないか、と。
――うん。
――だってさ、結局、医者ってことばから判断するしかないわけじゃない。
――そうだね。
――医者が言うことと、ネットで調べた知識と、正直、そんなに変わらないんだよね…。
――それは素人の浅見であって…。
――いや、なんかさ。「ものは言いよう」じゃないけど、こっちが何をどんなふうに表現するかで、医者の見立てってすごく流動的に変わるよなあ、と。
――うーん。確かにそれはある。
――いくらことばを尽くしても、正確に把握してもらうことって極めて難しいよな、と。
――そういうことをお医者さんに相談するの?
――しにくいよね…。
――でもさ、黒い人の正体がもしわかるとしたら?
――正直、正体はどうでもいいんよ。いなくなってくれればそれでいい。
――あー。さびしがって泣いてるよ。黒い人。
――ううう。
――「俺を捨てるのか」的な咆哮が聞こえる。
――あああもうしんどい…。


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