Land of Riches


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 2022年10月09日(日)   あえて手を離す 

連休中日の夜は以前プレイしたとうらぶフリーゲームの続編にハマってしまいました。
自力では生贄やら殺害やらBAD ENDばかりコンプリートしてしまうので、
作者さん謹製の攻略ガイドを見て、ようやくTRUE ENDにたどり着けました。
最終分岐からのエンディングが凄く気合入ってて、小説読んでるかのようでした。

歴史修正主義者との戦いは長引き、力ある審神者の家系が特定されている時代。
襲撃を受けた審神者会議で心優しい少女は政府の役人を庇って惨殺され、
庇われた当人と彼女の本丸の刀剣男士たちに多大な心の傷を残した。

彼女はその清らかさゆえか特に苦痛もなく転生し、自分の本丸を持つ。
亡き審神者の本丸は力ある『上級審神者』が、凡百の一般審神者よりも
自分一人が優れた戦績を残せば戦いの終結が近づくと考え、その本拠に衣替えされた。

優れた戦績を叩き出すために上級審神者が編み出した手法は、審神者を縁のある
刀剣男士(他本丸から審神者と死別して転籍したもの達)に人身御供へ捧げること。
恋人たる少女審神者の惨たらしい遺体(指が切断されており、用意した指輪が
はめられなかった)を見て時間遡行軍完全殲滅を誓った三日月は、非人道的な手法で
戦績を急上昇された本丸にあって執念のみで最高撃破数を叩き出す存在となった。

恋人の転生たる審神者=ゲーム主人公を仕組まれた監査で今の主の本丸に迎えられた三日月は、
早速神域に神隠しして永久に守ろうとするも、弱くても人間として寿命を全うしたいと
熱弁する主人公に根負けして、手を離すことになった…というのが前作の物語。

完結編では、清らかな魂に加え三日月と相思相愛だったゆえの加護なのか、
生贄としての素質がSSRとして生まれてきた主人公が前作の上級審神者のライバル家系、
こちらは上位神との習合によって人間を生贄として必要とするようになった
魔改造男士・鶴丸に捧げられるべく強制転移させられるところからスタート。

転移先の本丸を預けられた分家出身の審神者は鶴丸が事実上の育ての親。
魔改造の代償として記憶を失った鶴丸を傍に置き続けたものの、
罪なき審神者の命を奪い続ける日々からの卒業を決意し、反撃を開始。
圧倒的な力量差で彼と主人公は追い詰められるものの、先に脱出した上級審神者によって
三日月が主人公を助けるべく送り込まれ、見事に悪夢の舞台を瓦解させる…というオチでした。

作者さん曰く新規主人公を予定していたのに、魔改造鶴丸が強すぎて
三日月を投入するしかないとなり、前作主人公の続投となったとか。
こうして実質ファンディスクと化したわけですが、前世の後悔を上書きした
主人公と三日月だけでなく、2作品で登場した心の傷に苦しむ男士たちを救うべく
罪の償いをする元政府役人(1作目の黒幕)、無くしたものを取り戻す不思議な池で
再会した鶴丸と分家出身審神者…など全員が晴れやかな道に進めて本当に良かったです。

刀剣男士は人間の醜さを知りながら人を愛し、審神者のために戦ってくれる存在。
彼らに支えられていることの尊さを改めて嚙み締められた傑作でした。

2022.10.11 wrote


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