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Land of Riches
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| 2021年08月08日(日) |
8月読書録『つながり過ぎた世界の先に』 |
マルクス・ガブリエルもコロナ禍だとこんな過激発言になるのか…と思いましたが、 そもそも今回の新書は著書訳ではなく日本人インタビュアーによるまとめでした。
倫理とは全人類に共通する(日本人と中国人で違うことはない)というのが ガブリエルの主張ですが…綺麗事で数字(ぶっちゃけ金)至上の現代資本主義を 乗り越えられるか、疑問に感じたり、受け入れ難い箇所もたくさんありました。
しかし、感染者数が毎日発表され、その上下動に一喜一憂する世の中に生きていて、 数字は何のために発表されているのか、その目的を考える必要は確かにあるとも感じました。 (ガブリエルはウイルス学者に恨みでもあるのかと思うぐらい、 学者の意見が政治を左右する現状がお気に召さない模様)
全人類が共有しているのは生物としての命を失う恐怖だけ。 だからCOVID-19は人類史上で初めて地球上を一つにしたとも言える、とのこと。
印象的だったのは先述の数字を発表する目的、メディアが政治に毒されまくっている、 もとい政治がメディアに引っ張られまくっていること、そしてソーシャルメディア批判。 ガブリエルは確たる自己などない、むしろ仏教的な見方を支持しているようです。
今日(8/9)もtwitterで手取り25万なんてワードがトレンド入りしてましたが、 25万なんて少ないor25万でも生きていけるetc.SNSにいれば、確かに自己が何者か、 どうしても“名乗ら”なければなりません。自分はそれに賛成か反対か。
何についてSNSに書くか、自分が何クラスターに属するとbioに書くか…SNSは 必要以上に自分であることを課してくる、とガブリエルは言うのです。
SNS絶ち、スマホ忘れたと考えたら、やろうと思えばできるとは思うのですが、 問題はむしろ復帰した後の浦島太郎感にあるんじゃないかと感じます。 結局、そう感じる以上はSNS無しでは生きていけない身なのです。
2021.8.9 wrote
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