Land of Riches


IndexBeforeAfter

 2018年10月16日(火)   そうだ 京都、行こう 

源氏兄弟の同時展示開始も、薬研写しの展示スケジュールも、
何も考慮しないで夜行バスを取ってキョーハク行ってきました。勢い過ぎる…!

on time運行だったWILLERが6時前に京都駅八条口に到着。まずはお手洗い争奪戦です。
この時間から入れるお手洗いは、京都駅と言えど限られているので長蛇の列。
近鉄駅が6時過ぎに開くまで待つ結果となってしまいました。きちんと身支度するなら
ネットカフェ辺りは不可避だとも思い知らされました…髪がまとまらず、
急遽ローソンに髪を縛るゴムを買いに行く、前途多難な幕開けとなりました。

6月はSIZUYAのパンで済ませてしまったので、今回は京都らしい食事をしたいと
スマホで検索した結果、最も開店時刻の早いイノダコーヒ本店へGO。
「京の朝食」を注文。出てきたのは、山盛りのキャベツの千切りと
脂ののったボンレスハムなどでした。材料の質にはこだわっているそうですが、
味を楽しむ以前に、朝からがっつり食べさせられることに参ってしまいました。
(仕事のストレスで胃腸が弱っているため。後でキョーハクのお手洗いに入りまくる羽目に)
飲み物もオレンジジュースと「アラビアの真珠」の2杯がついてくる太っ腹。
珈琲の方はスプーンに載っていた砂糖を入れたのが失敗だったかも…。
イノダは最初から砂糖とミルクが入っていて、結構甘いんですよ。

退店し、三条通を東へ。本能寺に寄って参拝しましたが、9時開館の刀剣展は見れず。
ポスターは明らかに極を意識しているし、展示も面白いと聞いて興味はあったのですが。
京阪で七条まで移動し、先に9時から社務所が開く豊国神社へ。
ご朱印帳バンドが欲しかったのです。来年の星ダイアリーに使おうかと。

キョーハクの前には長い待機列ができていました。ハイアットの入口も超えて。
門を超えるのに並び、平成館前で並び、音声ガイドに並び、展示室でも並ぶ。
源氏兄弟の人気を思い知らされました。三日月の最前鑑賞列は渦を巻いていたので、
トーハクでも見たからと裏だけ離れたところから見て済ませました。
壁側は三条派・五条派の貴重な刀剣ですが、これも列が張り付いて動かず。
ここから2Fの藤四郎ルームまで、最前列での鑑賞は諦め、双眼鏡で眺めました。
双眼鏡は距離がないとピントが合わないので刀剣には不向きだとされているのですが、
あまりの人の多さで距離が取れるため、ちょうどピッタリだったのです。

※ここまで2018.10.20 wrote

2Fは主に粟田口、来派。粟田口はとうらぶでの実装数が多いだけに、
これまた壁面はべったりと張り付いた列が動かず(苦笑)
ここも双眼鏡での鑑賞となりました。研ぎ減り具合こそそれぞれと言えど、
形や刃文は割と似通って見える吉光の短刀たちにあって、異彩を放つのは後藤藤四郎。
明らかに違う刃文(乱刃)に挑戦したのが分かります。ゆえに、たとえ
焼き入れに一部失敗したとしても、そこがかえって美しいのです。
(ゲームの後藤くんの不思議な髪色はこれを表現していると思われる)

そして、吉光の美しい肌も双眼鏡でたっぷり堪能できました。
私、後藤くんは徳美で2回見ているのですが、初めて際立って美しいと感じました。
舞台を変えないと気づけないことって、あるんですね。

このフロアには謙信景光や同田貫なども。1Fの歌仙もそうなのですが、
京都産の似通った刀と並べることで出展数を増やす末兼さんの戦略が光ります。
たとえば謙信くんは景光の特徴である片落互の目がよく出ているとされてますけど、
別にこの技は景光が発明して独占したわけじゃなく、京都でも似た刀があったんだよ…と。

ここでまだ特別展としては折返しぐらいなのですが、力尽きる人が増えるのか、
最前に張り付く人も減ってきます。1Fに降りると…私も回る順番間違えてたんですが、
源氏兄弟こそ人が渦を巻いているとはいえ、他はほぼ最前でスムーズに見られました。
何気に宗三も裏側を見られるのに、ほとんど人いませんでしたし。

この階の奥、数年前に特集展示も行われた、キョーハクで最も刀剣の展示に
適した照明があると思われる部屋に長谷部はいました。最前待機も10人おらず、
「実家」の福岡市博では設備的に無理っぽい(これも末兼さんが毎年
決まった時期に展示され、既に見たことある人が多い刀であることを
踏まえてセッティングしたものとメディアでの語りから推察される)
ハバキ辺りの皆焼を際立たせる集中ライティングで輝く姿は、あまりにも美しく。
まるで、星団や星雲が広がる小宇宙のようでした。皆焼であるのに加え、
黒田家から福岡市に譲られてから全く研がれていないので、全体的に黒っぽいんですよね。
それに対してライトを強烈に当てているので、宇宙っぽいのかも。

そして、初めて見る裏(大太刀時代は表だったと思われる側)。
表よりは静かなれど、やはり皆焼は美しく、そして鑑定者の花押は誇らしげに。
あまりに綺麗だから、最前から2回、更に後方から1回見ちゃいました。
(後ろに戻って鑑賞し直すことはむしろ推奨されているので全く問題なし)

ライティングの重要性は、キューハクで見た時ほどの神々しさは感じなかった
会津新藤五でも痛感しました。キューハクではこの短刀に集中ライティングだったんです。
今思えば、大倶利伽羅や乱、あるいは山姥切が過剰なぐらいライト当てられてるのも
持ち主の愛刀自慢なんだから当たり前だと納得できると言いますか(笑)

ここから国広派、大坂新刀、現代までまだまだ大量に、以前の刀と比べても
何ら見劣りすることのない作品が並ぶのですが、私含め皆さん力尽きている…。
歌仙を片手刀と品格的な面で一刀両断しているのにも驚きました。
(品格を拵のクリエイトで表現した忠興の美意識が際立つ)
音声ガイドは最初から最後まで素晴らしく、何度も同じ番号を再生しました。
長谷部は諏訪部さんの担当でした。そして兄弟同時展示専用ナレーションで
誇らしげな膝丸がとても印象に残りました。刀自体は裏しか見てませんが(苦笑)

webで見てても買うまいと思っていた圧切のしおりもちゃっかり買いました。
メタリックファイルも、美味しいと評判だった京ばあむの会社のポルボローネも。

金工専門の研究員が並べただけあり、闇雲に名品をかき集めただけではありませんでした。
福岡市博の武具展示はどんな順番で並べるのか、今から興味津々です。
市博には金工専門の学芸員がいないらしく、別の切り口が求められますが…。

明治古都館は入場制限がかかる直前に入れましたが、骨喰写しの撮影も、
パネルの撮影も、物販も、これまた切れることのない行列でした。
長谷部のアクリルスタンドも、当初は買わないつもりだったのに、
入荷しているかが日による運次第だと知ってしまったので、気づいたら買ってました(苦笑)
クリアファイルは展示が美しかった後藤と謙信も合わせて購入。
トータルで3時間ぐらいですかね、キョーハク滞在。

17時半(最終)に2.5Dカフェを予約した自分を呪いつつ、時間潰す手段を考えました。
キョーハクで何度もお手洗いに駆け込んだぐらい、実は内臓がボロボロで。
美味しいものの下調べも少しはしていたのですが、結果として役に立ちませんでした。
歩いて京都駅前まで戻り、タワーサンドで生茶の菓のアイスだけかろうじて食べました。
250円ならこれくらいの濃い味がして当然だろ…というものでした(ウワメセ)

何も考えてなかったので、終わってみたら1日乗車券でも元が取れそうですが、
地下鉄でtwitterのRTで知った茶道資料館の酒飯論絵巻展示に向かいました。
チケット買ったら呈茶券がついてきてビックリ。さすが裏千家の運営…。
作法全く分からないので、普通に酒饅頭食べて抹茶飲み干しました。
同じ場にいたおじさまが茶碗の底まで眺めてて、茶をたてて下さった方から
説明を受けていたのですが、文化勲章受章者の作品だそうで。割らなくて良かったです。
帰ってきてから、掛け軸等も全部選び抜かれた物と知って震えました。

展示は酒好きと飯好きが対決するという不思議な話題の絵巻と、登場する器など。
昔の人はご飯もお菓子もとにかく山盛りがご馳走だったのだと再確認しました(^^)

最終目的地である平安神宮(2.5Dカフェはこの境内にある)へ行くのに
どのバスに乗っていいのか分からなくて戸惑いましたが、白峯神宮前から
遠回りする(とにかく座りたかったので遠回りでも良かった)路線で行きました。
白峯神宮は昔、羽田さんが“不治”だった頃に何度か参拝した懐かしい場所です。
今は当時以上にサッカー色・代表色が強くなっていましたね。

平安神宮は何気に初めてだったのですが、とにかく広い…白い砂が一面に。
左近の桜・右近の橘は白峯神宮にもあったので、不思議な気持ちでした。
ロームシアターも近くにあって、この日は山下達郎さん待ちの行列が。
もうどこにも移動したくなくなって、岡崎公園でとうらぶしてました(苦笑)
聚楽第イベントが発表され、にわかに緊張感の高まるゲーム世界。
「俺の刃に斬れない敵は無し!」という会心の一撃セリフが、
圧倒的な説得力を持って響いたのには、展示を見に行った甲斐があったと実感しました☆

2.5Dカフェは蔵を改装しただけあって、まさかの下駄箱が足りなくなるぐらいの
狭い店舗でした。一番下段の、ブーツを想定したスペースだったとは言え、
一緒に私の履き潰しスニーカーを収納して下さった審神者さんに感謝の念でいっぱいです。
刀ステ関連の展示は下駄箱の向かいにあるパネルだけ、店内展示も
ミュの厳島2着にグローブとボールだけでした。とにかく狭いんですよ。
ぎちぎちに円卓を詰めて、店員さんが間を縫うように配膳するという。

冷たいフライトポテトが最高に美味しくない「京だし巻きサンド弁当」でした。
ドリンクも代り映えのしないラインナップで、今回も長谷部と玉露飲んでました。
コースターは最初に山姥切が引けたので、すぐにトレード決まるなと確信。
結果として交換したのは、照明の落とされた暗い屋外でスマホの明かりで
トレードを試みている審神者さんのお陰でしたが…これまたご縁に感謝。

地下鉄で京都駅に戻り、土産を何も買わず新幹線に駆け込み乗車。
とにかくしんどかったです。心に体がついていかないというか。
翌日は職場でもっとボロボロだったんですけど…無理がきかないお年頃ですね。

それでも、見に行ったことは全く後悔してません。素晴らしい展示でした。

※ここまで2018.10.21 update


やぶ |MailWeblog