Land of Riches


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 2018年02月19日(月)   This is me. 

先週末(というか一昨日)封切りで国内観客動員数一位、私のTLでも評判上々の
"The Greatest Showman"を見てきました。ミュージカルものなので字幕ですよ。
私は見てないんですが、「ラ・ラ・ランド」と音楽スタッフが一緒みたいですね。

主人公のP・T・バーナムは実在した人物で、ストーリーも彼の実話を元ネタとして、
史実は純粋に(ひとりの人間としての権利を尊重してではなく)見世物としてだろうけど、
現代的にマイノリティもみんな平等に起用したよと翻案して、小人症あるいは
巨人症の男性、300kg超えの巨漢、髭を生やした黒人女性と一緒にサーカスで
夢は叶うと歌い(主人公は自信満々の夢想家だという設定)民衆の支持を受けます。

といっても、支持するのはnot上流階級で、主人公自身もかつて虐げられていたことから
支持とお金が集まる中、またバレエをやりたがった娘が教室で上流階級の娘に
いじめられるという事件もあり、見返してやろうとスウェーデンのオペラ歌手と
コネクションを得て、家庭そっちのけで彼女との全米ツアーに勤しみます。

帰宅してからwikipediaで実在のバーナムやリンドを知ると、
うまい具合にフィクションとして脚色されているなあと思いました。
(実際はそんなにドラマチックでも綺麗な話でもない)

上映前のdocomoの広告でも、「元女性」とか「シングルマザー」とか
いろんな肩書のシャツを人は重ね着している、というテーマがありましたし、
私の職場でもLGBTのイベントやたら開催されてたり、マイノリティ尊重への
意識は年々高まっていると思います。ハリウッド発の映画もそれが顕著で、
最近では戦う映画の主人公女性率がめちゃくちゃ高いと私でも感じます。

先日見てきたSW EP8でも主人公のレイは女性ですし、その風貌から不満も多いのですが、
主要人物の黒人男性に一目惚れする女性としてアジア系が起用されてました。
(SWの場合はもっと地球人じゃないクリーチャーを起用すべしという批判が多い)

幼い頃から誰に何と言われようと自身の夢の実現だけに突っ走ってきたバーナムですが、
ビジネスは他者とのやり取りでお金を稼ぐもの。自分の価値観や哲学を貫くだけでは
お金は得られませんし、お金がなければ現代は生きていくことができません。

This is meはじめ、パワフルな歌は旧来の風習や価値観に屈せず、
力強く我が道を歩むよう、観客にも訴えかけてきて、非常に胸を打たれるのですが、
(この映画は観客には評判が良いけど、批評家にはそうでもないらしいです。
EP8が専門家の評価が高いのに、観客には不満が多いのと対照的ですね。
やはり観客は表現そのものよりも、自分がどう感じたかが尺度なんでしょう)
同時に、この映画はやはり非現実なのだと意識せずにはいられなくもありました。
映画は娯楽なんだから、それでいいと思いますけどね、私は。


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