Land of Riches


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 2018年01月12日(金)   迷ったら愛に基づいた行動を選択する(前編) 

お陰様で1月恒例となっている福岡遠征に行ってきました。
日程は職場の新体制が決まるよりもずっと前に抑えてしまったので、
(門司港での大倶利伽羅&乱藤四郎展示が決まった時点で。乱を未見のため)
どうなるか怪しかったりもしましたが、仕事始めの日、
真っ先にメール投げましたからね、休むって。先手必勝!

北九州行くなら贔屓にしてるスターフライヤー(でもスターフライヤーの
機内設備は凄いと思ってたけど、帰りに乗ったANAのB787はもっと進歩してた)一択。
都市高速が工事中のため、空港からほぼ一般道をのろのろ走ってたどり着いた小倉駅は、
刀ステ虚伝再演以来でした(高速通ったら会場のホールが見えたのに)

シロヤのオムレットとコロッケパンを買って電車で門司港へ。
刀剣財団の展示は待機列が何本も出来ていて混乱させられたのでした。
私がついた昼過ぎにはチケット列は解消してましたが、屋外の常設展示待機列、
13時から2回設定された講演会の入場待機列、そして大倶利伽羅たちの特別展示待機列。

今回は門司港レトロの歴史的建築物を会場に設定しているのですが、
ゆえに常設展示会場となった「旧大阪商船門司支店」(国の有形文化財)は
掛けられる重量=入場人数に制限があって、列がなかなか進まないのです。
もともと財団の非特別展示は、ドン・キホーテの陳列のように
どかどかと刀を何振りも置くので列の進みが遅いと薬師寺でも体験しましたけど、
加えて入場制限とあって、寒空の下に伸びた列、ほとんど動きません。

twitterアナウンスでは2時間待ちと言われてましたが、ただでさえ
門司は海峡沿いで海風が強いのに、ちょうど九州に寒波が押し寄せて
私が滞在した二日とも小雪が舞う天気だったのもあり、並ぶ意欲がわきませんでした。
先述の通り、財団のドンキ風展示は薬師寺でも見てますし(刀は違うんだろうけど)

ゆえにチケットを買ったら、すぐに特別展示の列を目指しました。
これも「旧大連航路上屋」という歴史的建築物を改装したホールで空調無し。
それでも屋外待機に比べたらずっと楽でした…1時間は並ばなかったですし。
待機列は平日昼なのも関係しているのか、見るからに若い女性の審神者のみならず、
男女ともに結構年齢の高そうな方が複数で訪れていたのが印象的でした。

財団理事長の自慢の刀である乱や大倶利伽羅、日向、水神切らには
物凄い数のライトが当てられてました。それこそ、足利の山姥切、
いや紅白歌合戦で息子の大画面アップを撮ってご満悦な鳥貴族社長を彷彿とさせるような。
大倶利伽羅には8個でしたか。何より驚いたのは、乱は折紙つきだったこと。
それなりに焼けた色の折紙でしたが、当然の結末と思われました。
博物館系の展示なら、絶対にあの照明を紙にまで当てるのはあり得ない!(苦笑)
山姥切も同様ですが、あくまで私有物なので、持ち主が我が子を自慢する
スポットライトをめちゃくちゃ当てるのは必然なんですよね(笑)

刀に興味を持った若い女子のために、と基礎研究で稼いだ財産を
湯水のごとく消費して(刀鑑賞イベントは1人参加ごとに1200円の持ち出しらしい)
重文の「小夜ちゃん」は難しくても、重美の「大倶利ちゃん」や「乱ちゃん」を
年に何度も全国あちこちで出して下さる理事長、ありがたいお方ですよ。
まあ、不思議と、日本刀は、いつでも、そういう時代のパトロンには
弓、槍、鉄砲の類と比べると恵まれているのですが…!

乱は綺麗な系統の吉光(吉光は使い込まれ方で兄弟でもかなり印象が違う。
福岡市博にあった吉光は、やはり吉光の中ではあまり美しい部類にはならなさそう)でしたし、
大倶利伽羅は薬師寺では5秒程度だったのに今回30秒くらいは見れて、
浅くなった彫り物よりも、大きな切っ先がとても印象に残りました。
あと照明によって私でも分かった美しい肌。後ろにあった水神切らが霞んで見える程でした。

これまた無償で理事長が語り聞かせてくれる講演会、15時台の回は参加権利あったんですが、
もともと組んであった翌日のスケジュールがカツカツだったのもあり、
門司港で無料展示を見て回っても2時間近い待ち時間を費やすのはもったいないと判断して、
(海峡越しに見える赤間神宮には大変センチメンタルな気分にさせられ好きな土地ですけど)
生まれて初めて新幹線で小倉から博多まで移動しました。20分かからないんですよ。
(いつもはJRの快速。これでも50分はかからないので苦にはならない)

つまり、私は大倶利伽羅よりへし切長谷部を優先したのです。

福岡市内で行く場所はあらかじめいくつかピックアップしてたんですが、
博多駅から近い住吉神社ではなく、西公園…光雲神社を目指しました。
それも、いつもは市博からの帰りだと西側の山から入ることになって
神社の脇から参拝することになっている、とルートを替えて、
正面鳥居からの参拝を目指し、地下鉄の大濠公園から上り坂を登ることに。
いつも下る時にはそんな意識してなかったんですけど、結構傾斜がきつい…!

光雲神社は、福岡市博物館の次に優先順位の高い目的地でした。
なぜなら、1年前の1月に「また和田雅成さんの演じるへし切長谷部が見たい!」と
水牛兜の絵馬に書いて納めたら、年末に期待以上のジョ伝が見られたからです。
少し前まで一緒にいる二次創作なんて望めなかった「長政さまとへし切」が
今ではあちこちで読めるくらいです。これはお礼参り必須でしょ!
参拝して感謝を述べ、社殿修復の募金に札を入れ、お礼の絵馬も納めました。水牛兜の。

逆行したせいで西公園の山をやや彷徨いながらもバス停にたどり着き、
閉館1時間前の福岡市博へ。コラボグッズのお使いを頼まれていたのでまず果たし、
それから200円払って長谷部のところへ。平日はほとんど並んでなくて、
閉館間際の「日本号、長谷部ツーショット撮影待機」が既にそれなりにいる、
そんな中で1年ぶりの皆焼刃と、今となっては一段と愛おしい「黒田筑前守」の
文字を眺めてきました。今回は三奈木黒田家に伝わったという長谷部国重の
兄弟(見覚えのあるような銘入り!)が隣にいたせいで、比較で更に一層
へし切の皆焼が抜群の作品だと再確認することができました。

同じ部屋には11代藩主の幕末にまつわる展示が。彼は長谷部を普段使いしたと
文献に明記されている程の元主なのですが、その政治は藩内の佐幕と尊王の間で
振り回される一筋縄ではいかないもの…どんな時もその時の主が一番(りんりんさん公認)の
へし切は一体どんな眼差しで幕末を乗り切るのに失敗した福岡藩を見ていたのでしょうか。

200円で常設、企画(長谷部はここ)、新収蔵品展を見られるのですが、
今回は新収蔵品展で時間切れ。長政さまの僧形絵があったんですけど、
いつものしかめっ面でした。ふるさと納税は、この購入資金に充てられるはず。

福岡城の夜のアートライトアップ企画がちょいちょいtwitterで回っていたので、
行ってみたのですが、石垣を“呼吸”させたり、卵を本丸跡に並べるといった趣向が
どうにも合わなくて、割とあっさり出てきてしまいました。夜景は綺麗でしたが。
(福岡城の天守閣や本丸御殿は、長政さまが心血注いで建てた作品だから。
それが残ってないのが、古きものより新しさを良しとする博多らしいんですけど…)

夜ご飯はこれまたtwitterで回ってきたごま鯖の食べられる天神西の定食屋へ。
ごま鯖定食はとてもリーズナブルでしたが、それ以上に、夜はただの居酒屋なので、
地元民が普通に仕事を巡って喧嘩腰になっていたり―きつい博多弁で言い合ってて、
これがガチの博多弁口論か!とむしろ感動すら覚えてました。

展示のメイトで花丸長谷部のパネルを撮影してから博多駅前のホテルに戻り、1日終了。
博多駅の土産物屋は遅くまでやっているのですが、さすがにマイングは21時終了。
それでも十分遅いんですけどね。中央郵便局でお使いした品物を即発送したり、
やはり大きな街への遠征だと苦になることが少なくて助かります。
まして、福岡は何度も行っている街ですから(笑)

2017.1.15 wrote


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