Land of Riches


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 2015年05月08日(金)   伸びる 

船山さんがtwitterで紹介した直後に買ったのに、ずっと放置していた
元川さんの『勝利の街に響け凱歌』をやっと読みました。斜め読みですが通退勤のみで。

縦書きなのに「1人1人」(ひとりひとり)と書いたり非常に読みづらい、
しばしばチャントの丸写しで行を潰している、選手の来歴が間違っている
(喜山さんがボランチになったのはファジアーノ時代)etc.
読んでいてイライラさせられっぱなしでした。これでベテランライターだから…。

船山さんの与えられたストーリーも、くすぶり続けた天才です。
間違っちゃいませんが、それは。

反町監督が、船山さんをいい加減だと評していました。サッカーを除き。
サッカーに関しては努力を積み重ねられる人なんです。
しかし、ボールを持って数人を抜き去る力はない、とも。
確かに、船山さんのそんな姿は高校時代の格下相手くらいしか見たこと無いですね…。
スペースを見つける力と動き出しの速さに秀でたワンタッチゴーラー、だそうです。

ラインの裏を取る動きなら―今日オンエアのファイフロでヒロキーさんに
褒められていたと教えて頂きましたが、まだまだフロンターレの同僚たちは
船山さんの細かい動き出しをほぼオールスルーなのです。
それだけレギュラーに比べたら出遅れている、組んだ時間が足りないということ。

フィジコのエルシオは、船山さんの観察眼について触れていました。
コーンを四隅に並べて周回しろと言っても、さぼろうとする選手は少なくありません。
しかし、隼磨さんは誰に言われなくても真面目に周回します。
船山さんはやれと言ったら反発するタイプなので、黙っていたそうです。
何も言われないと、彼は周囲を見て、どうするのが最良か自分で判断してやると。

大学時代、次節の会場は把握しておらず、しかしながらかなり前の会話について
実はハッキリと記憶している船山さんに驚かされたことがあります。
見てないようで、あの人、すごくよく見てるんですよ。いろいろと。

そんな船山さんが悩みに悩んで―反町さんに使われ続けたという信頼は
サッカーが好きという気持ちを取り戻してくれたとのこと―川崎からの
オファーを受けた理由について書かれていたのが、唯一の収穫でした。

2月、麻生を訪れた元川さんに、自分に似たタイプの大久保さんと一緒にやって
新しい自分を見つけられたら、もっとサッカー人生を長くできるのではないかと
自分で決めて…反町さんやコーチ陣にもきっちり話をしてきたそうです。

サッカー人生を長く。この表現は衝撃でした。
6日で28歳になった船山さん。もう残りのサッカー人生は、今までより短いでしょう。
それを、本人も意識していることが分かったのです。


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