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Land of Riches
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| 2015年05月06日(水) |
「グッドゲーム、バッドスコア」 |
今日は船山さん(と工藤さん)の誕生日です。 船山さんは28歳になりました。私の粘着も、ついに干支一回りに…。
バースデーでなければニッパツのカマタマーレに行くところですが、 やはり外せなくて、先日入会したばかりの後援会特典チケットで入場。 船山さんにサイン入れてもらったばかりの会員証でワンタッチパスデビューしました。ピロリン♪
アクシデントが頻発しているのもあって連敗中メンバーいじりまくりのフロンターレ。 今日はアップ中に小林悠さんが負傷してしまい、開始直前に船山さんとチェンジしました。 ここで船山さんがチョイスされているあたり、FC東京戦に続いて注目ですが、 風間監督は船山さんを「いい」と見ている様子(試合後記者会見より)。 急な出場でしたが、船山さんも最前線で細かく動き、ボールを呼び込もうと努力してました。 ……なかなかボールは回ってこなかったのですが。
等々力へ向かう電車の中で2日の午前に見たユースの試合を2日付LRに殴り書きしたのですが、 あんなに苦労して生観戦した(twitterのライターさん情報で開始2時間前に 先発を知り柏から飛田給へ移動。駅員の叫びで当日券完売を知るも、 諦めず味スタへ向かったところ、FC東京サポからメイン4列目の良席を 開始が迫っていたのもあり半額以下で譲り受けるという幸運に恵まれた) 船山さんのリーグ戦初先発は、なかなか感想を書く気になれず、今日になってしまいました。
しかし、非常に残念ながら、フロンターレのサッカーは29日のレイソル戦から 録画を再生しているように同じような経緯をたどって黒星を重ねているだけでした。
まずは2日の話。味スタに42,604人が集い、熱を帯びた空気に両チームあわせ 警告7枚が乱舞する、なかなかエキサイティングなゲームでした。 メディア的には大久保さんがメモリアルゴールでカズダンスを踊り先制、 しかしホームチームが今をときめく武藤さんのゴールで逆転勝ち、と最良の展開。
スタメンを勝ち取った船山さんの動きは、私的には可も不可もなし…。 前半、圧倒的なポゼッションを叩き出しながらセットプレーでしか ゴールを奪えなかったフロンターレは、相変わらずの紙装甲ディフェンスで 守備陣が相手を倒して止めるしかない(警告をもらった選手の守備動作を見ていると、 普段ディフェンスの練習をあまりしていないという都市伝説が否定できなくなる) シチュエーションを招き、結局、累積で車屋さんが退場に追い込まれ、 角田さんを投入するために船山さんを下げざるを得ませんでした。 数的不利になってから2点奪われたので、退場が敗因と書かざるを得ません…。
けれど、退場はむしろ帰結でしかなく―フロンターレは、守備力を無視した Wボランチ(中村、大島)に起因するディフェンス崩壊を全く直す気がなく、 (GKのファインセーブだけでスコアを許容範囲にとどめたナビスコ神戸戦でも顕著) 取られた以上に取ればいいという哲学に基づいてチームを組み上げていながら、 そのオフェンスさえフィニッシャーの個人的コンディションに完全依存なのです。 だから、大久保さんの得点王という結果論で、フロンターレは上位クラブなのです。
選手の個をただ足し算するだけのスタイルなんて、最近では育成年代でも見ません。 フロンターレの、意味を突き詰めたらどう説明すればいいのか分からない 細かいだけのパス回しに比べたら、レイソルはトップもユースも非常に洗練されています。
でも、そのタレントで押し切ろうとするやり方は、達磨体制になる前の、 古き“良き”Jクラブユースとしてのレイソルユースが好きだった私には ひどく懐かしく…いつまで続くか怪しい、近いうちに見られなくなるだろうと 素人なりに思わずにいられない感傷も込みで、どうしても嫌いになれないのです。 フロンターレのガチサポーターは悔しくてたまらないでしょうけど。
だって、監督コメント確認しにオフィシャルサイトいったら、 風間監督が今日付けsubjectの言葉を吐いてるんですよ! これでタイトルを狙おうと言うのだから…2ステージ制なのに! レイソル戦まで負けを知らなかったのが不思議なくらいです。 (船山さんがだんだん試合に絡み始めていることは、 足し算の合計値という観点ではプラスなのかマイナスなのか断言するのが難しい。 まだ船山さんがブラジル人を筆頭とするレギュラーメンバーと 息が合っているとは言い難い連携なのは、かばうのが難しいところ)
まだ結果を出せなかった頃のレイソルU-18が、ガンバと試合して負けて、 達磨さんが「ポゼッションでは勝ってた」と言っていたのを知った時の 心境を思い出しました。レイソル、そう考えたら進歩してますよ…!!
風間さんのコメント読んでいると、綺麗に言えば選手に委ねていて、 工夫が足りないから点が取れないかのようです。 それもあるでしょう。特に無意味なボール回しの無意味さを、 シュートを打たなければ点が取れないと強く自覚してほしいという点では。
しかし…もっと工夫すべきところは首脳陣にもあるだろうと考えてしまうのは、 随分と山雅に…反町さんに毒されてしまったのでしょうか?
風間さんは交代も…ああ、これしか手はないよね、と思うことが多くて。 今日の船山さんが下げられたのも、そんな感じでした。私には。 下がった後、腕を組み足を投げ出していた船山さん、何を考えていたでしょうか。
twitterで甲府推しな方が、高級食材に最善を尽くすシェフと、 ある食材を生かす主婦との差異で…ヴァンフォーレは後者だとツイートされてました。 フロンターレはとにかく良い食材をかき集めて、素材を生かそうとしているのでしょう。 補強のお眼鏡にかなったこと、良い食材だとご贔屓さんが評価されたのは、嬉しい話です。
先程も書きましたが、国のトップリーグで、タレントごり押しの ファンタジー(憲剛さんのパスセンスは流石で、これがなければ成立しないから ボランチでディフェンスを放棄しているのは仕方ないのだと納得できます)を やっているクラブが2015年になってもある事実は、むしろ貴いです。私には。
美しいけれど、脆くて、今にも壊れてしまいそうな芸術品。 そのキーマンとして孤軍奮闘する、天賦の才を持つアタッカー。
10年前、レイソルユースは船山“くん”を徹底マークされると負けてました。 あれと比べたら、今の船山さんは、仮に試合に出られたとしても、所詮《11分の1》です。
それでも、だけれども。 どちらかと言えば守備的なスタイルだった栃木や松本を経て、 まさかこんなファンタジーの真っ只中にある船山さんを、J1で見られるなんて。
沖縄以来打ちのめされっぱなしだったフロンターレのタレントレベルの高さ、 それを並べたやり口のエンターテイメント性を感じられるようになってきたのも、 船山さんがピッチに立つ時間が増えてきたから。素晴らしいことです。
このままじゃ勝てない、このままではやばいと、私ですら嗅ぎ取れるけれど。 今のフロンターレのやり方を、勝てない手法を、嫌いになれないのです。
だから、今は、ただ、この夢想に、幻想に、浸ってもいいのかな、と。 こんなこと言ったら、船山さんには本気でぶち切れされるでしょうけどね(苦笑)
12年だか10年だか経っても、私はあのレイソルユースに縛られているし、 その原点を突き詰めれば、ジュビロの俊哉・名波コンビが目指した、 時には曲芸のようなプレーも混じるサッカーなのは否定できないのです。
一つだけ間違いないのは。 これからフロンターレがどう転がっていこうと、私は船山さんのファンだということです。
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