Land of Riches


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 2008年01月02日(水)   きらめく水面 

買ったばかりのテンピュール枕は、お店にある使い潰したサンプルに比べ、ちょっと固いです。
それが仕様と理解していたので、最も早く馴染みそうなコンフォートピローにしたのですが、
ようやく頭を乗せる中央部が多少、柔らかくなってきたかな、といったところ。

2008年の初夢には、なんと菅沼さんが登場。しかも、ボートの上で菅沼さんの肩を
一生懸命揉んであげるという意味不明な夢。昨年が小川さんだったのを思い出します。
(起きてからすぐに、菅沼さんが故障したのが左足だったかを調べたかは内緒!)





『風が強く吹いている』(三浦しをん・新潮社)

Yさんが某所で推奨していた、まさに今、絶賛開催中の箱根駅伝ネタ青春小説。

トラックでもロード(というかマラソン)でもない、個人競技であるはずの
陸上長距離走界に燦然と存在するジャンルEKIDEN(←駅伝は日本語でしか存在しない概念)。

大学3大駅伝といえば秋の出雲と熱田〜伊勢に箱根で、箱根が最も価値のあるタイトルのように
語られるのが通例なのですが、作中で登場人物が、箱根は関東の大学ならどこにでも
門戸が開かれていると口にしていますけど、逆にいえば、関東の大学にしか
参加する権利の無い箱根駅伝が大学駅伝の頂点(1区間の距離設定が箱根だけ
20km前後なんで、長いんですが)とされているのはおかしい、とも言われ続けています。

あと、この駅伝で燃え尽きてしまう長距離ランナーが多いとも指摘されていて、
(母校の監督へ収まっているかつてのスーパーヒーローも、その一人だと思う)
サッカー界で言うなれば、高校選手権ばりに華もあり、弊害も多いとされている大会でしょう。

なんだかんだで、正月の風物詩として、現在Yahoo!でもトピックスとしてででーんと
お出ましになられてる…誰でも知っている舞台だからこそ、情景を想像しやすいかと思います、
どんな読者にとっても。誰でもおぼろげには概要を把握している大会を
綿密な取材できちんと描写しているから、ついていけるし、感嘆もするような。

主人公・走は、長距離走の才能において、神様に愛されすぎてしまった新入生。
自分は練習を積み重ねて今に至っているんだ、と内心、憤る場面では、
同じようなセリフを自著で口にしていたKAKAを思い出しました。だから天才ってムカツク!(笑)

仕事で、初めて後輩を指導する立場になって感じているのは、人間には努力では
絶対に埋められない能力差があって、誰にでも伸びしろはあるけれど(ただし、
伸ばすためのアプローチは人によって異なる)、伸びしろを伸ばし切っても
対価を得るだけのレベルに達しない人は、職業人として不適で、クビを切られてしまうこと。
プロスポーツの世界は、職業人として生きていける人数が少ない、極端な分野かと。

好きなことを仕事にしたい(not好きなことをやって生きていきたい)と誰でも願うでしょうが、
それを許されない人―能力不足の人だって努力はするけれど有能な人にはその心境は
理解できないと思われる―が、その好きなことと、挫折後にどう向き合っていくかも大事な課題。

箱根駅伝は10区間あるから、長距離走者が10人、予選会エントリーできるタイムを
叩き出さねば参加の糸口すら見えません。マンガ的な成長で夢の舞台へたどり着いた10人ですが、
それなりに才能があったとはいえ、だからこそ、神様に愛されてしまった主人公の
秀でた能力が分かり過ぎてしまい、愛されはしなかった自分と、走りとの関係を考えます。

才能に恵まれすぎていて、それがない人の世界が理解できず、コミュニケーション不全に
陥った主人公が、出来事や出会いをきっかけに精神的に脱皮する物語として、
神林長平『グッドラック 戦闘妖精雪風』を思い起こすような読後感でした。
走=深井零、ハイジ=ブッカー、走ること=雪風の構図で。
心に陰りを秘めつつもメンバーを引っ張るハイジは、主人公よりも美しい造形かと。

正直、主人公に感情移入できる読者さんがいたら、その人の方が羨ましいです(苦笑)
上記リンク先に、陸上に無縁だった8人…とありますが、実はそうじゃない人物がいて、
個人的には、再び陸上へ向き合った心境が綴られた、その人物の箱根駅伝が印象的でした。
登場人物で一番かっこいいと思ったのは、藤岡なんですが!(超然とした人に弱いのです)

5段階で採点するなら4.5です。残念なのはネタバレになっているカバーデザイン。
これは作者の責任ではないと思いますけれども。

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2007新潟国際初戦、ペルー戦完成。これもインパクト強くて、さくさく思い出せました。
しかしながら、清書すると消してしまう、雨降る中で携帯を叩いてつけたメモに綴られた、
“青比嘉”と初遭遇した衝撃を鮮烈に書き殴った短い言葉の羅列が、読み返したら
とてもいとおしく思えました。最初の一回は、最初の一回だけなんだ…と当たり前のことを。

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さらに古い3月の、佐川守山虐殺ツアーも書きあがりました。待ってる人なんかいなくても、
自分が書きたいから書いてます。すみません(待ってる人がいるのはサハラのファイナルでしょ…)
これで、クリスマス以外の2007年、どうしても書いておきたかったレポはできたかな?
RKUの後期リーグ戦負け試合もいくつも残ってますけど。あとユースもいっぱい。

あ、3月のひたちなかHonda戦がありました。あれは印象的だったのに…メモをなくしたから(号泣)
すみません、このHonda戦はさすがに記憶を引っ張り出す糸口が足りないので無理です。

佐川戦の話に戻りますが、この負けっぷり、本当に強く胸へ刻まれてまして。
だから、たつのこで急便の優勝を阻止した時は、心から感動しましたワタクシ。
選手より嬉しかったくさいですもんね…(苦笑)


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