「ガムを食べた。」 DiaryINDEXpastwill
2002年10月22日(火) 物語から対話へ

神様はいつも人を試している。
試して何を知ろうっていうのか。

別に神様は何も知ろうとしていない。
人が勝手に物語を作るだけ。

人は物語を作らずにはいられない。
わからないものをわからないままにしておけない。
だから物語を作る。


バイト。
相変わらず自分の世界の中だけで恋しようとしながら。
勝手な物語。

お気に入りの女の子B。美人じゃないけどおしゃれでカワイイ子。
いつも0時から1時に来るのがパターンだった。
かと思えば22時に来て、2時に来て、最近じゃ3時なんて日も。
そして今日は6時。
バイトに行くと必ず会う。そして、たいてい俺がレジを担当する。
俺は彼女の雰囲気や表情を勝手に解釈して、
自分に会いに来てくれているような気になっている。
俺は最近この子の方に気持ちが傾いていた。

お気に入りの女の子A。おしゃれではないけど少し美人。
いつも7時半から8時の間に来る。
夜勤専門になった俺は7時上がりだけど、
いつもゴミ捨てのために30分は残っている。
でも、事務所の中に居るから顔を合わすことは稀になった。
今日は、たまたま新しく仕事を覚えるために店内に居たので顔を合わせた。
久しぶりに見たけど、やっぱりタイプだ。
昼間に働いてそうなことと、
服装から察するにスポーツをやってそうなところが好き。
Bの方に気持ちが傾いた頃にこの子を見てしまった。
それを神様が試したと・・・。

2人共、目が好き。
自分勝手な物語を作る人間は、目から人を好きになる気がする。
相手の目から物語を引き出す。
目は口ほどに物を言うけど、その解釈は自分の自由。
アイドルの写真なんか、勝手な物語を作り放題だ。

俺はアイドルに入れ込んだりするタイプじゃない。
いつも現実に憧れているくせに勇気がないってタイプ。
目で確認して自分が安心できる物語を作れなきゃ動けない。
んなだからときどき、変な勘違いされたりするのかも知れないな・・。
ともかく、アイドルの写真と違って、
現実の女の子は自分勝手な物語を見続けさせてくれる訳がない。
物足りない。こんなんじゃ嫌だ。

自分の心も身体も物語以上を求めてる。
物語の役目は、きっかけ、スターター。
人がお互いを見つめる目も同じ。話し合ってみるきっかけ。
バイトを始める前までの自分には物語がたっぷり必要だった。
ある程度動けるようになった今は、物語ばかりじゃうんざりする。
ただチラチラと見つめて、じーっと見つめて自分勝手な物語を作らせてくれる目を求めるのにはうんざりだ。

わからないものをわかろうとする方法。
想像する、推測する、希望する、話し合ってみる、伝える、そして尋ねてみる。
さぁ、自分の次のステップは、わかってきたはず。

これもまた物語。きっかけになればいいけど。

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