橋本裕の日記
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2007年07月05日(木) しようがない防衛大臣

 一昨日、久間防衛相(衆院長崎2区)が原爆をめぐる「しょうがない発言」の責任を取って辞任した。久間大臣は6月30日に麗沢大学で行われた「我が国の防衛について」と題した講演で次のように述べていた。

「原爆を落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今、しょうがないなと思っている。・・・国際情勢とか戦後の占領状態からいくと、そういうこと(原爆投下)も選択肢としてはありうる」

 久間氏は講演後、朝日新聞の取材に対し、「核兵器の使用は許せないし、米国の原爆投下は今でも残念だということが発言の大前提だ。ただ日本が早く戦争を終わらせていれば、こうした悲劇が起こらなかったことも事実で、為政者がいかに賢明な判断をすることが大切かということを強調したかった」と発言の意図を説明した。

 しかし、国防のトップにたつ政治家の核兵器の使用を容認するような発言に、世論の反発はおさまらなかった。久間氏も参議院選挙を控えていることもあり、これ以上阿倍内閣に迷惑を及ぼしてはいけないということで、辞職を決断したようだ。これにたいして民主党の小沢代表は3日の記者会見で次のよう発言している。

「辞めて済むという問題ではなく、阿倍内閣の本質にかかわる問題だ。核武装論が外相、自民党三役から公然と出た時も、首相は助長する態度に終始した。阿倍内閣の国家主義的、権力主義的な体質が背景にあって、このような発言が出るということだ」

 世界で唯一の被爆国として、日本は国際平和を世界に訴えてきた。ところがここへきて、防衛庁を防衛省に昇格させ、憲法を改訂して自衛隊を軍隊として位置づけようという動きが活発になってきている。久間防衛相の原爆容認発言もこうした最近の右傾化した政治の国家主義的、強権的体質が背景にあって生まれてきたのだろう。

 久間氏は「『しょうがない』は口癖だった」と述べている。そして「ぽろっと最後に出た」のだという。しかし、「口癖」だから許せるという問題ではない。それに「しょうがない」を口癖にしている政治家に、大切な国防大臣の地位をまかせていいのかという疑問も生じてくる。「しょうがない」からアメリカの要求を呑んで、自衛隊を海外に派遣されては困るのだ。

 久間氏に限らず、日本人はよく「しょうがない」を口にする。私もよくこれを口にする。とくに最近は、ややあきらめの境地で、「しかたがないな。なんともようがない」とつぶやくことが多い。久間発言は他人事ではない。これからは私も自重したい。

 私たち日本人の思わず口にする「しょうがない」だが、英語にも「I can't help it」という表現がある。これについてインターネットで調べてみたら、いくつかのサイトがヒットした。その中から、一つ紹介しておこう。

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英語には「仕方がない」や「しょうがない」という意味の表現がいくつかあるため、状況による使い分けが必要です。最も一般的なのは I can't help it. です。この can't help ... は「……を避けられない」という意味で、it は状況を指しています。これを受け身にして It can't be helped. と言うこともできます。これらの表現は、ご質問のいずれの状況でも使えます。「まあ、仕方ないか」というニュアンスを出すには、上記の表現の前に Oh well, と言うといいでしょう。

 2例目のように「……してもしょうがない」と言いたい場合は「It's no use +動詞の-ing形」(……しても無駄だ)で表すこともできます。It's no use arguing.(反論しても無駄だ)という具合です。

 ほかに、自分の力ではどうにもならない状況であるなら、I have no choice.(自分には選択権がない)がピッタリですし、「それならそれで仕方がない」なら Let it be.、また「I'm dying to +動詞の原形」を使えば「……したくて仕方がない・たまらない」と表現できます。それぞれの状況で使い分けてみてくださいね。

「石原真弓先生の英会話質問箱」より
http://www.alc.co.jp/eng/kaiwa/shitsumon/070402.html
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(今日の一首)

 雨の日のてるてるぼうずてるぼうず
 いのりをこめて遠くを見つめる


橋本裕 |MAILHomePage

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