橋本裕の日記
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2006年02月10日(金) アメリカの公共事業

 私はこの日記で、アメリカの公共事業は「戦争ビジネス」だと、何回か書いてきた。アメリカという国を牛耳っているのは軍産複合体だというのは、もう随分前から言われていて、今や公然の秘密である。

 アメリカの強力な軍事力にはだれも勝てない。何しろ世界の軍事予算の4割り近くがアメリカの軍事予算である。日本と合わせれば、4割を越える。経済力ナンバーワンとツーのこの両国が手を握れば、確かに世界制覇も可能かも知れない。

 しかし、日本には「平和憲法」があり、基本的に軍隊の保持も、武力の行使も禁止しているので、日本はこうした道を歩むことができない。これに不満を持つ人たちは、憲法をかえろという。そしてアメリカと手を組んで、軍事大国の仲間入りを果たしたいわけだ。

 さて、アメリカの公共投資の多くの部分は軍事費で、そのGDPに占める割合は5パーセントほどである。そして国防費のGDP寄与度は、約1パーセントと見積もられている。つまり、3パーセントほどあるGDP成長率の1/3ほどが、軍事費関連でまかなわれているわけだ。

 日本の場合は、防衛費が4.9兆円、公共投資は7.8兆円で、GDP比率はそれぞれ、1.0パーセント、1.5パーセントで、合計しても2.5パーセントである。アメリカの軍事費がいかに突出しているかわかるだろう。

 もちろんアメリカも軍事費の他に公共投資はしている。アメリカの場合は、州政府の予算総額の6〜7パーセントが高速道路関連予算である。連邦政府が軍事費に巨大な支出をする一方で、州政府や地方は公共事業に熱心である。そして、これがアメリカの経済を2本立てで下支えしているわけだ。

 未来学者であるアルビン&ハイディ・トフラーによれば、「GDPが年間11兆ドルを超す米国経済の中で、ほぼその3分の1にあたる約4兆ドルを、連邦と州と地方を含む政府機関が支出している」(読売新聞、2005年11月6日)ということだ。こうした統計を見れば、アメリカの公共事業がいかに盛大に行われているかがわかる。

(参考文献)
 「増税が日本を破壊する」 菊池英博 ダイヤモンド社


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