橋本裕の日記
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血圧が高いと血管を痛め、ときには血管を破壊してしまう。これが脳溢血だそうだ。これを防ぐために、血圧を下げる薬を飲み続けた。しかし、薬によって血圧を下げることはあまり好ましくない。なぜなら、高血圧になるにはそれなりの理由があるからだ。
血圧が高くなるのは、体がそれを要求しているからだ。動脈硬化で血管が細くなると充分な血液が脳にいかなくなる。そこで体は脳を守るために血圧を上げて、脳に行く血液を確保しようとするわけだ。手元にある健康本から引用してみよう。
<体の中でいちばん血液を必要としているところは脳です。手足が必要とする血液の量を1とすると、脳に行く血液は20倍が必要です。仮に、手足をしばって血液を30分くらい止めておいても、しばっているのを解けば手は生き返ります。しかし、脳の血液を30分止めたら、脳は元にもどりません。せいぜい3〜6分間が限度です。
動脈硬化が進み、血管が狭くなり、血液の流れが悪い状態では、脳に血液不足が生じます。すると、脳は危機を察して血圧を上げて血流量をふやします。脳は血液不足を解決するために、わざと血圧を上げているのです。
それを降圧剤でむりやり下げたら、脳の血流がへり、流れがよどんで血栓(血液の塊)ができやすくなって、血管が詰まりやすくなり、脳梗塞の危険が高まります。ですから、血圧が上がるのは、体の防衛手段として、なくてはならないことなのです>
もちろん、血管を守るためにとりあえず降圧剤を飲んで、血圧を下げることは必要だ。しかし、降圧剤は脳溢血(脳卒中)を防いでくれるが、その分、脳が血流不足になり、思考力の低下や気力の減退を引き起こす。さらに恐ろしいのが、脳梗塞である。薬を飲むと言うことは、このリスクを抱えるということだ。
私はこうした医学知識をよく知らずに、医者に言われるまま、3年以上も降圧剤を飲み続けた。朝食後降圧剤を飲んだ後、通勤途中でどうにも眠くなり、車を止めて木曽川の土手でいつも一休みしていたものだ。学校でも昼飯を食べた後は体がだるく、意識がはっきりしなかったが、これも薬の副作用だったようだ。
これに気付いて、薬を止める決断をした。健康本に「過食をつつしめば適正な体重になり、高血圧も解消する」と書かれているのを読み、遅蒔きながら体重を減らして血圧を下げることにした。
しかし、昨日も書いたように、ここで私は大変な失敗をした。一日二食を敢然と実行し、1ケ月で5キロ以上も体重が減り、血圧も下がっていたのに、医者の指示にしたがって降圧剤を飲み続けたことだ。ただでさえ血流不足だった私の脳は、もはや深刻な血流不足に陥り、酸素や栄養が不足して、ついには視覚障害を生じた。こういうことは、高血圧の理由や、降圧剤についての正確な知識があれば未然に防げたことだ。
高血圧になるには体がそれを欲しているからである。風邪を引いて熱が出るのも、食欲がなくなるのもみんなそうだ。これを薬で無理に抑えたり、無理に食事をしたりすることはほんとうは体にあまりよくない。
痛い目にあって、体験からいろいろ勉強したおかげで、健康について何が大切かということがとてもよくわかった。いかにこれまで間違った先入観で生活していたかもよくわかった。これはとても大きな収穫だった。
(参考文献) 「小食が健康の原点」 甲田光雄 たま出版 「奇跡が起こる半日断食」 甲田光雄 マキノ出版 「健康の結論」 新谷弘実 弘文堂
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