橋本裕の日記
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誰にでも、振り返ってみて、「特別な一日」はあるものである。イタリア映画の名作「特別な一日」は二重の意味で特別な日を描いている。ひとつは、イタリア国家にとって特別だった一日、もうひとつはひとくみの男女にとって特別な一日である。DVDを貸してくれた北さんが、雑記帳にこの映画の解説を書いているので、全文を引用させていただく。
<エットレ・スコーラ監督のイタリア・フランス合作映画「特別な一日」がBSで放映された。ソフィア・ローレンとマストロヤンニの黄金コンビで作られた映画はいずれも高い水準のものであるが、これはその中でも傑作だと思う。
ムッソリーニ支配下のローマにヒトラーがやってくる。歴史的な同盟が実現するということで、アパートの住人全てがファシスト集会に出向く。後に残された6人の子を持つ主婦(ローレン)と、官憲に追われそこに忍んでいた反ファシストの男(マストロヤンニ)の、一日だけの恋を描いた作品。
ファシスト集会の様子がラジオで流れ続ける。その中で、偶然に二人は出会い、倦怠期の主婦であるローレンは男に惹かれていく。自殺を考えていた絶望的な男は、主婦と出会ったことで思いとどまり、会話を求める。全体主義に染まっている社会の中で疎外された男の孤独感がマストロヤンニの演技によって、無教養であることでファシストの夫に軽く扱われながら6人の子供の世話にあけくれる主婦の倦怠感がローレンの演技によって、それぞれ見事に表現される。二人ともファシズムの犠牲者であるが声高な社会批判の言葉はこの映画にはない。ただ哀しく、寂しく、相手を求めあう二人の姿が描かれるだけだ。
設定としては「マディソン郡の橋」に似ているかもしれないが、中身は全く違う男女の恋が描かれている。この監督のもう一つの作品「ル・バル」も観たが、台詞が一つもないダンス映画で、それが時代の流れを描き出す見事な技法には驚かされた記憶がある。> http://www.ctk.ne.jp/~kita2000/zakkicho.htm
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