橋本裕の日記
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リヒテルズ直子さん一家が、8年間にオランダに住むようになって、まず始めたのが二人のお子さんのための小学校選びだったという。選択肢に上がったのは、一つの公立小学校と二つの私立小学校だった。それぞれの小学校の校長先生やPTAの代表の人に話を聞いたりして、最終的に、私立の小学校の一つに決めたのだという。
<オランダでは、小学校一つ選ぶにも、受け身で黙っているわけにはいきません。まず、校区制がありません。それでは、自宅に一番近いところの学校に通わせようと思っても、歩いて買い物に行ける程の距離のところに三つや四つの学校があるのがあたり前で、子供が自転車で通える範囲まで含めると、容易に10校前後が候補として上がるのが普通だからです。(略)
学校の特徴や雰囲気というのは、オランダ人の親が子供の学校を選ぶ際の重要な要因であると思います。親もまた、一般的に評判の良い学校というだけではなく、自分にとって、自分の子供にとって、もっとも共感を覚える学校を選んでいるのでしょう>(オランダの教育)
13年前に私の一家は名古屋から一宮市に引っ越してきたが、小学区制だから、娘達の通うことになる小学校の選択に迷うことはなかった。小学校を見に行ったが、校長先生に面会をしたわけではない。変わりばえのしないコンクリートの校舎を見て、帰ってきた。歩いて片道20分くらいだろうか。
オランダの場合は、小さな規模の小学校が通学圏内に複数あり、ときには二つの小学校が隣り合わせに建っているいることも珍しくない。リヒテルズ直子さんはスライドでそうした小学校の様子をいくつか見せてくれた。
200人の生徒が集まれば、だれでも学校が設立できるわけだから、町にたくさんの学校ができても不思議はない。その場合、施設を準備したりするのは政府の仕事になるが、たいてい校舎は出来合いの民家などを借りたりしてすますことが多いという。
日本の小学校のように、教室棟や体育館、プールがあって、そのまわりに校庭があるという物々しい感じはしない。学校と言ってもほとんど大きな家という雰囲気らしい。そして、体育の授業などは町の体育施設を他の学校と共同で借りることになる。
授業をするのも、その学校の教師とは限らず、体育教師は複数の学校を兼務していていて、町のジムに複数の小学校の生徒が来て、同じ教師からときには一緒に授業をうけることもあるらしい。中には「ある考えや感情を体で表現せよ」などという風変わりな授業もあって、授業内容も教師によってずいぶんバラエティに富んでいるようだ。
デンマークには「森の幼稚園」がある。これは個別の施設をもたず、森そのものが幼稚園になっているものだった。オランダの小学校の場合、「町の小学校」というイメージがある。子供を狭いところに囲い込まず、町全体を学校にして、そのなかでみんなでおおらかに育てようという雰囲気がうかがえる。
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