橋本裕の日記
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アメリカの株安、ドル安が世界経済を脅かしている。日本の場合と同じように、このままバブルが崩壊して、不況へと突入するのではないか。そうした懸念や観測が広がる中で、アメリカ政府はこの四半期のGDPがわずかながら増加傾向にあることをあげて、これを否定している。
しかし新聞報道によると、このGDPの増加を支えているのは、どうやら軍需産業の業績回復らしい。今軍アメリカの需産業はかってないほどの活況を呈しているらしいのである。こうした現状から見て、来年早々にはアメリカはイラクに対して、大規模な軍事行動をとるのではないかと言われている。
アメリカの場合、不況対策として公共事業に依存することはしない。そのかわり、これにかわる手段として戦争を用いる。不況は供給の過剰からもたらされるのが普通だが、戦争は最大の消費行動だからだ。これで経済が活性化し、不況を克服しようとする。
武器輸出国は毎年「兵器見本市」を開催し、最新鋭の航空機、戦車、ミサイル、ヘリコプター、地雷、銃砲、その他の新兵器を競って売り込む。こうして大量の兵器が世界にばらまかれ、紛争や戦争を作り出している。武器が戦争を作り出し、また戦争が武器を作り出す。こうした悲劇の悪循環が世界を支配し続けている。
アメリカの政治は産軍複合体によって事実上支配されているといわれている。政治家はいずれもこうした勢力によって育てられ、その庇護のもとに政治活動を行っている。これに逆らったりすれば、政治生命はおろか、ほんとうの生命さえ失いかねない。ケネディ兄弟の悲劇がこれを物語っている。
ストックホルム国際平和研究所刊『軍備・軍縮・国際安全保障』2001年版によれば、武器輸出筆頭5カ国はアメリカ合衆国、ロシア、フランス、英国、ドイツである。上位4カ国が国連の常任理事国で占められている。
ちなみにアメリカの武器輸出額は490億ドル、第9位の中国は15億ドル、46位の日本は1400万ドルだ。アメリカの突出ぶりがよくわかる。アメリカによって武器輸出を非難されたイランや北朝鮮の額ははるかに小さいものに過ぎない。
世界の覇権国家アメリカがこうした戦争志向型の産業構造を持ち、政治がこの体制に依存しているということは、世界にとって大変不幸なことである。かって日本もこうした軍事的体質を持っていた。しかし、今は平和国家として生まれ変わり、軍需のかわりに公共事業に依存する利権体質が政治を支配している。
おかげでむだな空港やダムや橋が次々と作られ、膨大な財政赤字を出しているわけだが、アメリカのように武器輸出をしたり、戦争を起こしたりしているわけではない。世界に迷惑をかけているわけではないので、まだ少しましかもしれない。
<今日の一句> 桃を食ふ 女の横顔 みてゐたり 裕
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