橋本裕の日記
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今、私の高校にアメリカから十数名の交換留学生がきている。たまたま私の数学の授業に出席していたので、|−3|=?を黒板に書いて答えさせた。すぐにわかったようで、「3です」と答えた。そこで、|3+4i|=?と訊いたら、これには答えられなかった。
私のクラスの生徒も答えられない。|3+4i|=5 が成り立つことを理解することが授業の目的である。私は最初に目的地を示すことにしている。その枕として、こうした問題を出す。そのあと複素数が平面上の点で表されることを学習して、生徒たちは|3−2i|=√13 などの問題が解けるようになり、学習の達成感を味わう。私も自分の授業の達成感を味わう。
さて、そのあと職員室で留学生たちを引率してきたT先生と話す機会があった。以下にその会話を再現してみよう。
私「アメリカの高校は夏休みが3ケ月もあるそうですね」 T「そのとおりです。冬休みと春休みが1週間ずつあり、その外にも休日があるので、結構休みが多いですね」
私「休みの間、生徒は何をしていますか」 T「スポーツ施設に通ったり、アルバイト、ボランティア活動、いろいろですね。夏休みにはサマースクールに通う生徒も多いですよ。アメリカの高校は単位制なので、そこで単位を取ることができるのです」
私「授業後、部活のようなことはあるのですか」 T「授業が終われば学校はおしまいです。先生方も帰りは早いですよ。3:30にはみなさんいなくなります」
私「お休みを取られる先生もいますか」 T「年休は繰り越しができないので、みなさん完全に消化します」 私「休んだとき、誰がクラスの面倒をみるのですか」 T「最初からそのための代理の先生が控えています。その先生が給料を貰うためにも、しっかり年休を消化する必要があるのです」
日本の場合も年休はほとんど繰り越しができない。それでも年休を消化せずに残してしまうのは、クラスの生徒や同僚の教師の負担を考えて自粛しているからだろう。アメリカの場合は代休制度が確立していて、とらざるをえないようなシステムになっている。年休を取らなければ、代理の先生の給料が減り、最悪の場合、彼らが職を失うことになるからだ。
教師に限らずアメリカの場合は、ワークシェアリングの感覚で年休を取り、人生の余暇を他人に気兼ねしないで楽しむことができるようだ。Tさんとは外にも色々な話題で会話をしたが、とくに日本の労働環境の水準の低さをおおいに実感されられた。
(T先生は今はアメリカで働いているが、日本生まれの日本人女性である。私との会話が日本語でおこなわれたことは言うまでもない)
<今日の一句> かたつむり 手にのせてみる 雨匂ふ 裕
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