橋本裕の日記
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| 2002年05月31日(金) |
「二次方程式と因数分解」(4) |
私「哲学好きのGさんと話していたら、話がずいぶんと高尚になってしまいました。初歩的な質問でもいいですから、他の方もお願いします。Eさん、何かありませんか」
E「そうですね。それでは、一つ馬鹿みたいな質問で笑われそうですが、2乗して9になる数は、3と−3だと言われましたが、この2数の他に答えはないのですか」
私「だれか、答えてくれませんか。Fさん、どうですか」
F「ありません。 二次方程式 X<2>=9 の答えはx=+3、−3 の二つだけです」
E「どうして2つだけだと分かるのですか」
F「そんなの、あたりまえではないのですか。いわゆる自明ということです」
G「ちょっとまってください。たしかに3の2乗は9ですし、−3の2乗も9ですから、この二つが解であることは自明と言ってもいいでしょうね。しかし、この二つ以外に、答えがないかどうか、自明と言えるかどうか、そう間単に決めつけてよいのでしょうか」
私「なるほど。その通りですね」
G「自明というより、自明のように思われているということではないでしょうか。常識的にはあたりまえでも、数学的には必ずしも明らかとはいえませんね。ここはちんと証明する必要がある」
E「証明ができるのですか。とすると、私の質問もまんざら捨てたものじゃないですね。是非、どなたか証明してください」
F「思い出しました。その証明は私にやらせて下さい。因数分解の方法を使えば簡単じゃないですか。
x<2>=9、 x<2>−9=0, x<2>−3<2>=0 (x+3)(x−3)=0、 これよりx=−3,3 できましたよ」
私「やってみると、簡単ですね。しかし、ここで、 ab=0のとき、a=0またはb=0 という公式が使われていることを留意しておきましょう。だれか、他に証明ができた人はありませんか」
G「3以外に解があったと仮定して、その解を 3+x と置いてもできそうですね。つまり、 (3+x)<2>=9、 x<2>+6x+9=9, x<2>+6x=0 x(x+6)=0 これを解いて、 x=0,−6 題意から xは0でないので、 x=−6 となります。したがって、2乗して9になるのは他にもう一つだけ存在して、その数は 3−6=−3 ということになります」
私「なるほど。Gさん、なかなかやるじゃないですか。俄然、数学に目覚めたという感じですね」
F「私もすこし<数学>が分かってきましたよ。自明と思われることでも、ちゃんと証明ができるのですね」
私「そのとおりです。数学の命題は一部の定義や公理をのぞけば、すべて証明が可能です。数学で主張が正しいということは、それに先立つ命題から、そのことを論理的に導き出すことができるということなのです。さて、他に質問はありませんか。おや、たくさん手があがりましたね。Cさん、どうぞ」
という訳で、明日の日記でCさんの質問を紹介しよう。
<今日の一句> 琵琶の実に 雨降りかかる 日暮れかな 裕
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