罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
翡翠の一番欲しいモノ。
あの子は誰かを感じていないと不安になる。 眼も鼻も利かないし耳も遠い翡翠は、触れる事で安心感を得る。 それを得る為に必死で奉仕する。 それこそ誰でも良いらしい。 傍に居て、触れて居られるなら。
「見捨てないで」 「殺さないで」 「傍に居て」 「放さないで」
リフレインする悲鳴。 ディストーションのかかった反響がハウリングを起こす。 無限に増幅する金切り声が、脳をプリンの様にシェイクする。 遅過ぎたリグレット。 終わらない罪と罰。 脳味噌とステアしたカクテルが悪酔いを加速する。 意識が沈む。 コントローラーを見失ってしまった。 一瞬で暗転、ホワイトアウト。 ぎりぎりで持ち直す。 リピート。
黒の暴走を防ぐ為に、(親)との関わりを断った。 今度は翡翠が暴走する。 他人の力を借りなければ止まらないのか。 胸が軋む。 生きる事もままならないのに、 死ぬ事も許されない。
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