罅割れた翡翠の映す影
目次過去は過去過去なのに未来


2001年12月11日(火) 吐瀉2 缶太郎

また、吐き気がした。
黒の声がする。
弱々しくて聞き取れない。
何度も嘔吐しかけて、まだ日も昇らない街を彷徨って。
軒先に座り込んで肩で息をする。
情けない。
みっともない。
そんな自分に嫌気がさしても、笑顔が崩れない。
涙も出て来ない。
力無く、声を上げて笑った。
そう、僕にはこれしか無い。
こんな事しか出来ない。

僕を息子と呼ぶヒトよ、
僕は貴方の息子ではないのです。
僕の後ろで呪詛を囁く存在が、
貴方の息子として生きて来たモノの成れの果てなのです。
それでも、貴方は僕を息子と呼べるのですか。
壊れた彼の残骸からこぼれた破片でも。
だから、まだ僕は教えない。

今、否定されたら僕は笑う事すら忘れてしまいそうだから。


Jade |MAILBBS

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