J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年11月25日(木)    見た感じというのは、そういうもの。

J (3.秘密の恋愛)

9. これからのこと (2)


8月となれば夏期休暇が近づいて、
スタッフも休み中の話題に興じることが多くなります。
私も家族と短い旅行を計画しておりましたが、
それぞれの親元に義理を果たしに出かける用もありました。

その当時の私は典型的な日本の休暇を過ごしていたのです。
休暇とは忙しく動き回ること、のような。
、、その夏もそうでした。

レイはと言えば、母がなくなったばかり。
実家で新盆ということでした。
当然私はその前にレイと話をすべきであろうと考えていました。

ですので。
盆休み前のある夜、私はレイを誘う。
これからのことの話を聞くために。(参照こちら

・・

私はレイをタクシーに乗せ、隣町の繁華街に連れてゆきました。
人目を避ける必要はまったくなかったふたりですが、
会社の近くでは知り合いもそこここにいることもあり、
話の内容によっては聞き耳立てられても困るかと考えたからです。

そのように話すとレイは、
にこりとして「そうしたい」と賛同しました。

私たちは静かなショットバーに腰を下ろし、
少しの間、他愛もない話をしながら軽くアルコールを飲みました。
ちょっと見ると恋人同士、のようであったかと思われます。
年の離れた恋人同士、ではありましたが。

だがそれが、自然なふたり、であったのです。

見た感じというのは、そういうもの。
互いがどう意識的に考えていようとも、
見た感じ自然な姿がふたりの関係を表してしまう。


私とレイは、見た感じは恋人同士、
つまり、それが自然な姿であったのです。

自分たちは認めていなくても。


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