J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年04月23日(金)    君んとこ、農家だっけ?

6. 個人的な話 (12)


田んぼがひろがって暗い道。
対向車もほとんどなくて。

「けっこう田舎なんだ、レイちゃんちって、」
「あーん、だからいやだったんだなー、工藤さんに送ってもらうのぉ、」
「あ、いや、自然がいっぱいあっていいじゃないか、」
「うーん、田んぼしかないのよ、あと、少し先に海、」

そう言えば遥か向こうに防砂林が見える。

「学校行くの、大変だっただろね。」
「自転車で行ってた。」
「自転車、か、どれくらいかかったの、○×高校だったよね、」
「40分くらい、かナ?」
「雨の日は?」
「雨の日もカッパ着て。」
「ふーん、レイちゃんがね、、」

そういって私はレイをまじまじと見ました。
そして一番最初に顔を合わせた面接の時のレイを思い出しました。(参照こちら

今のように髪を染めていない、艶やかな黒髪のレイ。
最近の子には珍しくキャピキャピしたところがなく、
落ち着いていて芯が通っているように感じられた。

あれからずいぶん月日がたったものだ。

あれから始まって。
ずいぶんと変わったものだ、何もかも。


しばらくして。
「あ、そこのタバコ屋さん、そこ曲がってください。」とレイが言う。

「もう近いんだね。」
「はい、あの向こうの家。」

その方角には田んぼの向こうに数軒民家が立ち並んでいました。
みな古い農家の家でした。


「君んとこ、農家だっけ?」
「父は勤めてます、おじいちゃんたちが少しやってますけど。」

と話すうちにレイの家の前に着く。


レイのうちは、、

しんとしていました。


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