J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年03月25日(火)    高校時代の友美さん、、、。

J (2.結婚)

5. 新婚旅行 (9)


高校時代の友美さん、、、。

テニス部の副部長をやっていて、、、。

あとは、、、。なんだろう?


私は思い巡らす。
これまで友美さんとの付き合いの中で、
友美さんの高校の頃の話題がいかほどあっただろうか。

高校時代の友美さんについて、私はほとんど何も知らないのだ。

はたしてどんな高校生活を送ってきたのだろう?



これまでは興味もなかった。
それがどんなものか、おおよそ想像してそれで終いだった。

友美さんも話すことはなかった。
私も聞くことがなかった。

友美さんは私に話すような特別なことはない、そんなふうだったので。
話すようなことはない、それを恥ずかしそうにしているふしがあったので。

もとより、過去の恋愛についてなど、聞くつもりはなかった。



…なぜなら、私が聞くってことは私も話さなくてはなりません。

過去のこと、終わったこと。

わざわざ悲しい思いをさせるために真実を語るべきでない。


恋愛に過去なんか関係ない。

目の前の相手を愛する。信じる。


互いの過去について聞かず語らずにいて当然、

私はそう考えていたのですから。(参照こちら



しかし、、、。

それはその対象となる男が過去の存在であるが故のこと。

現実に目の前に現れたその男の存在は、、、。

如何にしても私の心を動揺して止まないのでした。



私はある日友美さんの部屋で友美さんのアルバムを見たことがあります。

小さい頃からの写真のアルバムです。

子どもの頃はまるまると太っていた友美さん。

成長するに従って健康的な少女になり、そして大人になっていく。


高校時代。

お祭りの写真。

ハッピを羽織って威勢のいい友美さん。

そして、、、。


そう、そこに、確か、

一緒にではないがその写真の隅に、確か、、、。

ああ、朧げながら、あの男が写って見える、、、。



自宅で写した青い手編みのセーター姿の写真。

「ずいぶん大きいセーターだね、」
「えへへ、お父さんに編んであげたの、」
「へぇ、上手だね、」
「今度、純一さんにも編んであげる、ね、いい?」
「え、いいの?、楽しみにしているよ、」

、、、。


あの手編みの青いセーター、本当は誰の?



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