J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2002年12月02日(月)    私はそんな友美さんをただ愛しく思った

J (1.新入社員)

3.雨、そして (2)


私は友美さんに恋愛の情は持っていませんでした。
愛しいという心、そういう心情だけ持っていました。

愛しい、愛しい、友美さん、そんな感じです。

恋しい、恋しい、友美さん、ではなかったのです。


友美さんは、
私と知り合った時も、
私と付き合うようになった時も、
私と初めてキスをした時も、
私と初めて結ばれた夜も、
純真で、無垢で、慎ましく、
私の中に溶け込んできました。

私はそんな友美さんをただ愛しく思った、
こんな私と一緒にいて、
こんなに幸せを感じてくれるのならば、
私はいくらでも友美さんに愛をあげよう、
そんな心持ちになっていったのです。


友美さんは誰からも好かれていました。
決して自分を前に出さない、
いつでも人の話を微笑んで聞いている人でした。

私は何でも話してあげました。
何でも教えてあげました。
友美さんは私を頼り、何でも相談するようになりました。
私のいう通りにすることが彼女の幸せであるかのように。


私はいつでも友美さんをリードして、
いつでもエスコートして、
いつでも包んであげました。


それは今でも続いている、私と友美さんとの関係です。


ただ、その関係は、
お互いに話し合って何かを決めるということがないので、
私にとってはちょっぴり物足りないと思うこともある関係ですが。



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