J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2002年11月25日(月)    みんな胸が大きいの

J (1.新入社員)

2.夏季研修 (8)


3時も過ぎて雲行きが怪しくなってきました。
私は空を見上げました。(明日は残念だけど雨だな、)

「さあて、宿舎に戻ろう、戻って夜までひと休みだ。」

A部長はそう言って腰をあげ、みなそれに続きました。
一行が宿舎に戻る頃、ぽつりと雨がふってきました。


宿舎には風呂がひとつしかありません。
男女別に入ることになります。
女性の方が時間がかかるので、先に女性が入りました。
次に子供とお母さん、
最後に男どもががやがや入りました。

私は酒をずいぶん飲んでいたので、
部屋で寝てしまい、風呂に入ったのは一番最後でした。


夕食はまた酒を飲みます。
よく酒を飲む会社ですね。
海の家でとは違い、今度は本格的に飲みます。
新人研修とは新入社員に酒の恐ろしさを教えるためにある、
とまで言い切る輩もいるほどです。
私もこうして酒を知り、強くなっていったものです。

夕食では友美さんが横に座りました。
友美さんはアルコールは飲めません。
それがちょっと残念な私でしたが。

「純一さん、飲み過ぎないようにね、
 夜一緒に散歩するって約束、忘れないでね、」
「おう、忘れるもんか。、、、でもなぁ、雨だもんなぁ。」
「いいの、ちょっとだけ行きましょ、
 、、、ここでは、ふたりになれる機会がないんですもの、」
「ん?、なに?、小さくて聞こえないよ、」
「いいの、なんでもない、」
「そっか、」

私には聞こえていたのですが、照れてしまったのです。
そして話題を変えました。

「風呂、どうだった?、みんなと一緒に入ったんだろ?、」
「うん、あ、エッチなこと考えてんでしょう?、」
「なんだよ、エッチなことって?、」
「例えば、〜カラダツキがどうだったとか〜♪、」
「違うよ、狭かったから、さ、、、、え、じゃ、さ、どうだったの?、」
「やっぱり、知りたいんだァ〜♪、」

何なんだよ、この思わせぶりな会話、じれったい。
私は、もういい!、っていう顔をしました。
友美さんは慌てて言いました。

「みんな胸が大きいの、羨ましかったわ、」
「ふ〜ん、それは知ってるよ、さっき水着姿見たもん、」
「あ、やっぱり、そういうチェックしてたのね、」

友美さんはちょっと不機嫌な顔をしました。
私はそういうつもりじゃないというふうに、
え?、という顔をしてみました。
でも、本当は、やっぱりそういう目でみていたのが事実ですが。

少し間を置いて友美さんが言いました。

「でも乳輪も大きいの、」

誰が?、と口先まで言葉が出ましたが、聞くことはできませんでした。


誰?、レイ?、レイはどんなんだろう?、

この時私は初めてレイの身体を想像したのです。



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