J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2002年11月12日(火)    応接室にふたりだけ

J (1.新入社員)

1.面接 (2)


水曜日はすぐにやってきました。
応接室に入ると、部長、人事課長を前に、
神妙な顔をして話を聞いているレイがいました。

部長は私を手招きしながら、
「あ、きたきた、樋口さん、彼が工藤君、
 先ほど話した我が社の中堅社員だよ。
 工藤君、樋口レイさん、だ。」
「工藤です、よろしく、」
私は頭をぺこりと下げ、椅子に腰掛けました。

レイは、小さな声で、
「よろしくお願いします。」
とばかり言って、うつむき加減。
下を向いてじっとしています。

(ダメだな、この子は、)
私は心の中でそう判断しました。
もっと元気がなくっちゃ。
もっと自己主張しなくっちゃ。
これじゃ、オレのスタッフとしては勤まらないよ。

「で、部長、私はどうすればいいんですか?」
「面接はもう済んだので、簡単に仕事の内容を説明してくれたまえ。」
「分りました。」

部長はレイに向かって、
「じゃ、樋口さん、あとは工藤君から仕事の内容を聞いて、
 不明な点はしっかりと質問して、それで今日はおしまい。
 もう帰っていいですからね。
 、、、と、いうことでいいのかな、人事課長。」
「はい、それで結構です、部長。
 樋口さん、学校の先生には僕の方から連絡しておきます。心配なく。
 採否については2週間以内に学校に通知いたします。
 よろしいですね。」
レイは顔を上げて、「ハイ、」とだけいいました。

部長と人事課長は席を立って、
「あとは頼んだよ」と応接室を出て行きました。


私とレイ、ふたりだけがそこに残りました。



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