8月4日、水曜日の日記
おまえは、警察官が好きか? こう聞かれても、特段好きとか考えたこともないだろうか
それじゃあ、警察官と言うと、どんな人を思い浮かべる? 俺の頭には、交番にいるような制服の警官が真っ先に浮かぶ
でも、警察官にはいろいろな種類がいるだろ 制服にももちろんいろんな階級があるらしい
テレビのドラマなんかで見る刑事は たいていの場合殺人事件を取り扱う課の刑事で 真夜中に容疑社宅を張り込んでいて コンビニで買ってきたパンかなんかをもぐもぐ食ってるとか 暑いさなか街に出て、靴底を減らし聞き込みを続ける
そんな、イメージぴったりの刑事が二人 この日・・・聞き込みにやってきた
と言っても、殺人事件ではなくて窃盗事件の聞き込み 盗まれたのは電線で、犯行現場は俺の家の目の前にある資材置き場 その資材置き場は市の公共工事に使う資材を置いてあって 一年前にも小さなサイズのショベルカーが盗まれかけたりした
刑事は二人組みで・・・一人はまだ青臭い若手 もう一人はちょっと癖のありそうな雰囲気のおっさんだった
最初に話を聞くのは若い刑事の仕事で おっさんのほうは口を出さずに やけにニコニコとうなずいているだけだった で、若いのが一通り大まかな話を聞き終えた後 おっさん刑事が口を開いて、俺の話をほじくり返してきた
あの時そういえばこうだったとか そんなことを思い出したりしませんか?
そんな風に、バカ丁寧にあくまで紳士的に でも、わずかなことを思い出させるための時間をかけて ねちっこい視線を送ってくる なんだか、追い詰められるような、そう言う圧迫感を感じるやり取りだった
俺自身が電線を盗んだわけではないけれど 盗んだやつがしそうな行動はどんなことだろうかと聞かれ それは、その電線を鉄くず屋に売りに行くはずと答える
そう思うのは、鉄くず屋にそういう盗品があるときいた事があるのか 鉄くず屋でどこか思い当たるところはないかと言ってくる
電線を現物で持っていたところで普通使い道はない 売って金にするのが普通の考えだと俺は思う でも、そう思う根拠はなんだと言われると、返答に結構困る
しばらくの間、そんな風に聞き込みを受けて 俺自身はたいした情報も出せずにいたけれど 刑事のほうからすれば、情報自体よりも こうして聞き込みをすることで得られる影響が大事なのかもしれない
テレビドラマでは格好良く描かれがちな刑事の仕事 非常に地味で、なおかつあまり好かれないだろう、と思ったりした
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