| 2004年04月17日(土) |
開いてくれた人がいるかしら? |
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ロスト・イン・トランスレーション。
コッポラ娘の映画の題名、言葉の響きが気になる。いい映画なんじゃないかな、おしゃれだからとか関係なく、見に行くのだろうな。そう思わせるタイトルだ。
友人と、「トランスレーションて何だっけ?」と英文科にあるまじき会話をしていたのだが、調べてみたところ(笑)訳は「翻訳の中で失われてしまう」もの、だそう。外国語を自分の言葉に直すときに生じる温度差。きっと誰にでも経験のあることだと思う。映画の字幕を見ていてもよく「あれ?今の表現端折られてるな」と気付くことがある。
件の映画の予告編にあった1シーン。日本のバラエティー番組に出演した落ち目のハリウッド俳優(ビル・マーレイ)に、日本人のディレクターが叫ぶ。
「カットカットカットカット!時間がないんだよ、ねパッション、カメラ、テンション上げて!」
通訳"With intencity."(感情を込めて)
俳優「それだけ?もっと言ってた気が」。
例えば、英語を訳す時に感じる言葉から言葉(日本語)への距離は、頭の中のもやもやを、書きつけるときのそれと似ている。そんなことを思いながら、この映画の邦題に思いをめぐらせたりしている。(昨日くらいから公開だっけ?是非見に行きたい。)
先日手紙を書いた。夜中の3時に机に向かって、仕事をしている喜びや不安、今考えていることを伝えようと思った。しかし、切手まで貼ったのに出せなかった。
「このメモみたいなゴミみたいな分裂病みたいな紙の束を、あなたに送るのは何故なのでしょう。」
渡せない手紙を繰り返し綴るのは、そう、翻訳の間にすりぬけたあの気持ちを、もう一度なぞるためだ。
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RADIOHEADのライブ。
『フェイク・プラスティック・トゥリーズ』のサビの瞬間、照明がぱっと緑に変化し、トムの裏声が会場全体に染みだしてきた。幕張メッセ、しかもオールスタンディングでステージはほとんど見えなかったのに、その瞬間は泣きそうになった。
君の望むものになれたら、誰もが周囲からの期待や孤独感に負けて、まがいものを築いていく姿を描くM4『フェイク・プラスティック・トゥリーズ』。しかし、結局はそこから阻害されてしまうニンゲン存在の悲しさ。トム・e・ヨークの圧倒的ヴォーカリゼーションが、悲痛さを別の場所に運んでいく。
帰ってから、『ザ・ベンズ』のライナーノーツを読んでみた。「別の場所に」って分かるなあ。暗いんだけど、歌になると優しくて溶けそうで、この世のものとは思えないんだ。椎名林檎がやっていた『クリープ』のカヴァーのような、泣き叫び自分を主張するそれとは対照的で。昔のCDと声が変わっている気がする。どんどん宇宙人みたいに。
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「あなたに本を買ってきたよ」
母親がひとりぐらしの部屋に訪ねてきた。手渡されたのは、1冊の本。
『女が28歳までに考えておきたいこと』。(ちなみに前回のプレゼントは鎌田実の『あきらめない』だった……)
すごいのは、というかすさまじいのは、「本当に出世していく男の見分け方」と「どんな男を選べば幸せか」の項に付箋がたててあったこと!
そうかそうか。若い娘に丸2年も彼氏がいなくて、しかも前に付き合っていたのがCD売って家賃払ってる人じゃまずいよね、お母さん。熟読します。
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