「旅行の日記がつまらない。
僕が君の日記を読み出したころと比べて内容が薄くなってるよ。 中でも旅行のはドンって、明らかに違う、だめ。 しかも何?おしゃれポラロイドかよ、 君が一番嫌がってた種類のサイトに、自分から近づいていってるんじゃないの?
別に昔にもどれ、ぐじゃぐじゃ暗いこと書けとかそういう事じゃないけど、 もっと人に読ませる工夫とか、見せるものとしての努力が大切なんじゃない?
僕は君のこと知ってるから見てるけど、 今、たまたま君のサイト見つけても立ち止まらないと思う。 誰が書いても一緒っていう文章だ。
着るものも髪型も文章書くことも人間関係も、 何でもかんでも自分のことに引き寄せて考えるからつらくなるんじゃん? もっと他のこと考えれば?
僕なんて人との距離を測ったり 自分のことを考えたりしたことはほとんどない。 他に考えること沢山あるから。
少し日記休めば? 自分のことばかり考える以外に、何か見つけなよ。 それが無理なら仕方ないよね、もう自分のこと考えるのは 君の一生の命題なんだよ。 書くことと自分が一緒になっちゃうっていうのも」。
というダメ出しを受けた。ちょうど自分が考えていたけれど知らないふりをしようとしていたことを、真正面から指摘される。どうしよう、と思ってうーんと悩んだ後に涙が出てきて、わんわん泣いた。そうしたら「鼻水でてるし。もう、汚い汚い」と言って笑うので、優しいなあと思ってもっと泣いてしまう。
「『ひるどき日本列島』が終わるんだって。13年だって。
昨日総集編やってて見てたらさ、 分校の子供たちとロック歌手の白井貴子さんが いっしょに歌歌うっていう回があってさ、 もうなんか、段取りで歌うことになってるタイミングより早く 歌い出しちゃうのね。まだ音楽かかんないよ、ってとこで。
で、歌いながら予告なく走り出しちゃって、 カメラさん追いつけなくて、 日だまりの中を走る子どもと白井さんを後ろから慌てて撮ってるの。
もうなんか、段取り悪くてめちゃくちゃな映像なのに、 今見るとすごくよくてさあ。 きれいでさあ。 涙出ちゃったよ」。
今日話そうとしていたことをさらにぐずぐずと泣きながら話すと、
「それ書けよ、なんかへんなまとめとかなしで。 最後に改行して変な前向きなまとめとかつけずに書けよ」と言う。
書けないのでこうしてごまかした。
日記を休むって辛いなあ、と思う。 書くことは「私」だからだ。
人に向けては書けないような本当の気持ちや格好悪い永遠に続くループを、 またノートに綴るのか。
「最近場当たり的な会話がうまくなって、 ああこれでうまくやっていけるならいいじゃないかと思ったの。 電波なのはもうやだからさ。 前にけんかしたじゃん?あれはひどかったでしょう? 自分を出そうとするとどんどん格好悪くなるんだよ。 だから思考停止してた。
あーあ、でももう一度考えろって事だね。 楽したらダメだね、やり直しだね」。
「ちょっと進んでまた戻ってって、 そんなもんですよ」
鼻水だらだらで泣き続けるの私を相変わらず笑いながら、 電話の向こうで友達が言った。
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