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2003年11月16日(日)

また「卒論」という足かせをはめられたまま一日中パソコンの前。6時間座っていて30分くらい書くという、ひどい集中力だ。

日記の推敲ばかりしてしまう。何回でも書いてやる。日記ならば何回だって書ける。何回だって、「書くこと」だけは苦痛なしにやれる。(ああでも卒論は書きたくない……悶々悶々…中学生男子並み)



■東京国際女子マラソン

高橋尚子が負けた。悔しい。気分が悪くて、レースが終わった後に撮ったビデオを巻き戻す父親に八つ当たりした。「見たくないよ、終わったレースでしょ」、と。

彼女が負けたところを初めて見た。毎回嫌な予感がしたけれどいつもそれを跳ね返して勝ってくれていた。もしかしたらこのままずっと負けないのかなこの人、と思った矢先だった。

彼女が頭角を現してきた4年くらい前、私は高橋尚子が嫌いだった。「走るのは気持ちいいです」「スタートラインに立つのが嬉しい」--ポジティブな台詞が鼻についた。走るのが楽しいわけがないじゃん、苦しいに決まってるじゃん。心の中で畜生、と思っていた。

中学の時陸上部だったと以前書いた。それ以来、私は走るのが大嫌いである。ダイエットのためにするジョギングさえスタートするにはものすごい力がいる。走るときに得られる快感は、単にレースで勝つこと、勝った瞬間にテープを切ること、それに尽きると今でも思っている。まあ、テープを切ることのためだけに走る人がいるくらい、テープを切るのは快感だという言い方も出来るが。

高橋尚子は、(比べるのは失礼だけれども、まあ走りに対する姿勢が、マインドが、ということね)私と正反対のランナーだと思う。

2年前のNHKの正月特番でインタビューに答えているのを見て以来、私は彼女が好きになった。この人には負けた、天才だ、と観念したのだ。走るのが本当に楽しくて楽しくて、だからマラソンをしている人がこの世にいるのだということが、私には衝撃だった。無名の選手だった長い時間にも、高橋は「走ること」が嬉しいという理由だけでずっと陸上を続けていたのだという。

「私は練習しなくなったらすぐだめになる選手です。それが自分で分かるから、常に常に人より走り続けていないといけないんです」。インタビューでの彼女の言葉が、今でも頭に残って離れない。なんと強い人なのだろう。私が斜めから見て疎んでいた彼女の「自然体」は、生まれ持った才能だったのだ。

松本大洋の『ピンポン』で、スマイルが、アクマがペコを求めるように、私は高橋の金メダルを待っている。それはかつての有森や鈴木博美や、10000メートルをやっていた時代の千葉真子がしょっていたような、おかしな悲壮感の末の勝利ではない。正直、そんな「日本のため」みたいな金メダルはどうでもいい。

見たいのは、コースからふわっと浮き上がってレースとかオリンピックとか、39キロ過ぎとか、他の選手のロードから飛翔して、ふわっと「どこか」からゴールに舞い降りてくるような、笑顔の高橋なのである。彼女は一人で走っているところがすごく似合う。

今日のタイムは2時間27分。これでは代表に漏れると監督に言われて、彼女はもう一度選考会を走るという。強いなあ。何度でも走って、勝ってほしい。勝ってアテネに行って、また勝ってほしい。31歳で、体力的にも限界なのかもしれないが、いつまでも楽しいからという理由でいつまでもやってくれたらいいと思う。人間なんだから、そんなにたくさんマラソンをやれるはずはないし、けがで休んでいるところも何度も見ている。それでも、それでも、と夢を見るのは、天才である彼女を本当に尊敬しているからである。やめる時は、人とか監督とか関係なく勝手にやめて、またボルダーを楽しいから、といって走る人のように思えるからである。

ああ、ああもう。本当に悔しい、悔しい。



■ビールの恐ろしさ

あまりに辛すぎる事実や、恥ずかしすぎることはネタにもならないことがあります。でも黙っているともっと辛いし、過ぎたことは仕方がないので話します。

ニールヤングのライブに行った。初めての武道館である。素晴らしい、こんな大物を見るのはビョーク以来だ。日記にもすぐ書くつもりでいた。

開演の直前に、アサヒスーパードライを買って飲んだ。酒には弱いのは分かっている。いつも生中1杯もいかないうちにウーロン茶を頼む。ああ、それなのに武道館には革ジャンを着たかっこいいおじさんたちがわさわさとタバコをすっていたのよ、それを見たらね、私もなんだかビールが好きな錯覚に陥ったのよ。

開演直後、おかしい生あくびが5回連続で出た。やばい、と思ったら船をこいで眠っていた。本当に興奮できたのは、アンコールの1曲だけ。一緒に行った友達(誘って、チケットまでとってくれた人)は「寝るなら最後まで寝なよ、たまに起きるとうざい」と本気で怒っていた。ああ。

そういえば前にもこんなことがあったなあ。よしかちゃんと二人でのみに行って、ゆず酒1杯で眠ってしまって、ずうっと「れいこちゃん、れいこちゃん」と面倒を見てもらったっけ。

酔う→気持ち悪くなる→眠るの途中、一瞬だけ気持ちのいい酩酊状態が訪れて、ああいまだらっと横になれたらなんだってできるぜ、という時があって、こういうのを世の中の人はしょっちゅう感じていて、だから世の中にはしょちゅう「酒の勢いで……」という過ちが引き起こされるのだろう、というどうでもいいことがぐるぐる頭をまわった。お酒で気持ちよくなれる人が、私はやっぱり羨ましい。

そしてニールヤングへの罪滅ぼしとして、私は彼のアルバムをすり切れるまで聴きます。これから海外アーティストが来たら、面倒くさがらずにすぐにチケットをとります。ふう。



■武蔵丸

また、私が一生懸命相撲を見ていた時代に強かった力士がやめた。「一番印象に残っているのは、初優勝の時です」と会見でいう彼を見て、少し切なくなる。初優勝を超える強度は、来なかったのか?それ以来。



色々悔しいよ、今日は。それでも卒論は書かないといけないし、明日は仕事だ。増田明美がテレビで、キューちゃん失速の原因を解明している。この人はつらくてつらくて、プレッシャーに負けて走るのをやめたという私に似ているランナーだったそう。今日つらいことがあったほうが、アテネでうまくいくって。いいこと言うなあ。

ああ、こんな徒然日記を書いている暇に君は書くものがあるだろう?それにしても高橋尚子は悔しい。なんだか人格が溶けてきたよ。パフェが食べたい、ごにょごにょ。


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