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2003年07月10日(木)

たくさんの言葉を覚えすぎて一言も話せなくなるなんて、という言葉があるそうだ。 - ご飯を食べていくために色々と大変なことは多い。売れない本はつまらないと思う。けれどももっともっと大切な、自分は何が好きか、自分は何をしたいのかという根本的な問いに、大学四年の夏休みを前にして私は戻ってきてしまった。それを見つめ直すためにミニコミ誌を作るところから始めてみようと思う。誰にも見せられなくても、とにかく作らないことには残るものは何一つないのでやる。

「わたし、やるから」と友達に興奮しながら電話をしたら、「酔っぱらってるの?」と尋ねられた。

映画好きの友達が毎月買っている雑誌、『nobody』《詳しくは存じ上げませんが、有名な先生のもとに集う、私と同い年くらいの某大学学生が作っているという。ミニコミ誌に入るのかな》を初めて手にとった。特集が、”雑誌ってつまらない”だったから、書店で見つけた時、ああ、本当にそうだなあと直感的に思ったからだ。私ったら、偉そうに。

トビラには、次のようなコメントがある。

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かつて雑誌が面白い時代があったらしい。雑誌が最先端の情報源で、雑誌が生活スタイルのお手本だった時代。そんな時代の末期、80年安保の時期から20年が過ぎ、ふと周りを見渡して呟く。「雑誌ってつまらない・・・・・・」。

手許にある手がかりは、『「ポパイ」の時代』、「スタジオボイス」。安原顕。最初から、「面白い雑誌」なんて知らない世代の雑誌特集。
(P25より抜粋)
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昨年の秋以降、松尾スズキさんの連載を読むという現実問題もあり、やたらめったら雑誌を買いあさってきた。そして気付いたことは、ああ、なんだかどれもたいして面白くないかも、というとても単純で気の抜けるような結論だった。隅から隅まで目を通しても、読めば読むほど味が出て、心意気が特集から細部まで行き渡っている上、私の極低俗な、個人的趣味にぴたりと合ったのは、本当に本当に正直に申し上げて『編集会議』くらいだったのかもしれない。今になって本棚を見渡しながら思う。

何故『編集会議』か、といえばそれは私が編集者を目指しているからという要因、『スタジオボイス』や『流行通信』がどれほど素晴らしくても評価できる立場にないという身の程を知っている人間だという要因、色々なことが絡んでいると思う。

だいたい、そんなことを言いつつ私は月にバカみたいな数の雑誌を消費するし、今までホームページ上で褒めちぎってきた数多くの記事はどうなってるんだと言われればそれまでだ。そしてなによりその、”つまらない(らしい)もの”を作っている出版社に入社することがどれだけ大変なことかは涙が出るほど分かっている。実際、何度も泣かされている。

そうだ、私はずっと、「つまらない」なんて言っちゃあいけないと思ってやってきた。プロの編集者、つまりエリート会社員の方が、時代の流れや売れ筋、読者の心の動き、どこよりも早い情報、あらゆる「売れる要素」を合体させ、詰め込み詰め込み作ったもの(皮肉でも何でもなく、素晴らしいことだと思う)をつまらないなんて絶対に言っちゃあいけない。

ああ。それなのに、『nobody』は面白い雑誌なんて俺ら知らないぜ、と言い切る。そういやMRの悪口を書いていたのもこの人たちだったっけ。最低の最高だぜ。

「雑誌ってつまらない」?それなら自分で作ればいい。きっとうまくいかない。受け入れてもらえない。雑誌コードもとれない。それでも自分で作ればいい。「つまらない」と言う前に、つまらないものを自分の力で完成させなきゃ。こういう恐いもの知らずの向こう見ずを言い訳する時に、若さを使うんだぜ。


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