英国人の彼女
6年間の遠距離恋愛の末、イギリスに嫁いできました。ロンドンで息子と3人で暮らしています。

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2003年04月17日(木) 作成中だった「ポークチョップのトマト煮」は、焦げ付いてしまいました

ダーリン(仮名)が帰ってきました。よく考えればたった5日間なんですよね。会わなかったの。5日なんて、大した期間じゃない。

遠恋してた前彼とは、こちらに来てから1回しか会えませんでした。1年に1回。七夕じゃないんだから。でも日本からこの国まで、往復5日かかるのです。もちろん飛行機で。往復航空運賃は軽く20万円を超えます。世の中にはまだまだこんな国もあるのですよ・・・。

今回、彼が出張していたB国は、無政府状態が10年以上続いているところで、もちろんインフラが整っているわけもなく、国際電話なんてかけられません。(国内電話もないのでは?まあ、うちの国も、電話普及率及びテレビ普及率世界最低を誇っているらしいので、人のことは言えませんが。B国は、政府がないので、統計には載ってません。)Eメールなんてもってのほかで、出張中まったく連絡が取れなかったから、その分寂しさが募っていたのかも。彼が帰ってきたとき、私は台所で夕食作成中だったのですが、ドアが開いた音をしたとたん、菜箸も何も放り出して、駈けだして、首に抱きついてしまいました。

自分で「Mousy Colour(ネズミ色)」と言うくすんだ金髪の、腰のないさらさらの髪も、青い目も、長いまつげも、キスするときに邪魔になる高い鼻も、薄い唇も、泣きぼくろも、何もかも懐かしい。

ギューって抱きついたら、ギューって返してくれました。「長い5日間だった。昨日はもうずっと会議中も君のことを考えていたよ。すごくさみしかった。会えて嬉しい。」と耳元でささやかれて、「わたしも。あなたが恋しすぎて、「ワンダとダイヤと優しい奴ら」まで観ちゃった(この日の日記参照)。」とささやき返したら、「ちょっと待って。なんで僕が恋しくて、Basil Fawlty(イギリスでたぶん一番有名な70年代のコメディドラマ"Fawlty Tower"におけるJohn Cleeseの役名)を見るのさ?」と耳をつまみ上げられましたけど。

でも、「最近John Cleeseすごく好きなの。」と言ったら、まんざらでもない顔をして、「なんでそんなに彼がいいのかわからないけど、もちろん僕は彼とは全く似てないけれど、君がJohn Cleeseを好きなのを許可しよう。」ってさ。(バカップルですか?)



この街は、最近、季節はずれの雨期に入っていて、夕暮れ時にはいつもスコールのような大雨が降ります。葡萄の蔦が絡まる彼の家の軒下には、よくお腹の赤い小鳥が雨宿りしています。窓の向こうの小鳥のさえずりと、遠くの雷の音を聞きながら、だんだん暗くなる部屋の中で、いつまでも彼の腕の中にいました。


私:あ、そうだ、B国のことを聞きに、今度ダーリン(仮名)のところに、うちのC書記官と行くから。
彼:君が僕の膝の上に座っていても、彼女は許してくれるかなあ。


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