家族進化論
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2020年08月02日(日) 追試の意味は

さて、最近は面談をしているという話を書きます。
再テストをするより面談をするほうがけっこう効くなと思っています。

週に1度小テストをするのですが、残念ながら同じ子ができない。
「できない」と一言で言っても、3とおりあると思うんです。

1つには能力的なもの。中学英語がままならず、ついてこれない。
2つめは習慣的なもの。声に出して覚えないので、定着しない。
3つめは外因性のもの。両親の不和など、勉強が手につかない。

追試でカバーできるのは2つめだけですよね。

1つめをカバーするのはかなり時間がかかりますし、追試よりも
帯活動の補習を行いながら中学英語、特に英文法と英単語をしっかり
定着させる取り組みをしていかねばなりません。

さらに3つめに関しては、1つめ以上に面倒なことになります。
灘校というと恵まれた家庭の子が多いように思われるでしょうけれども
(確かにもともとはそういう場合が多いのですが)
灘校を目指すプロセスで、さまざまな悪影響を受ける子たちもいます。

・灘に合格したらいくらでもゲームしていいと言われていた。
・灘に合格したらもう勉強しなくていいからと言われていた。
・灘を目指して必死に勉強していたら、両親が不仲になった。
・灘に合格したあとも母が勉強に関して口出ししてくる。
・灘に合格したあと、なぜか勉強が全くしたくなくなった。

特に上の5つが非常に多いのです。

ですから原因の1番目と2番目は追試や補習をすればカバーできるし
実際に補習は週1の割合でやり、中学英語を拾っていますが、
残りの3つについては面談をしながら解決することになります。

時間がかかることではありますし、教員にできることは限られます。
母親との関係などは僕が口出しするべきではないのです。
家庭の問題ですからね。学校は関知すべきではありません。
でも「君の人生であって、お母さんの人生じゃないんだから、
君ができる範囲内でしっかりやればいいさ。だいたいこんなことで
精神的に病んでしまったりしたら、君の素敵な人生が滅茶苦茶になるよ」
などと声をかけることによって救われる子もいると思っています。

毎日1〜3名ずつ、順番を決めないで面談をしております。
昼休み、放課後、掃除の時間、授業と授業の合間に廊下で・・・
いろんな時間を活用して、少しでも気になる生徒がいれば話をしますし、
よく頑張ってる子には「この調子でやりや。しんどくなったら言えよ」
などと声をかけるようにしています。

生徒たちが「木村のために勉強しようぜ」という空気になれば最強。
これだけ声をかけてくれる監督のために!というのも野球部の生徒たち
の合言葉になっているようです。

宿題を含め、やらせていることは「やっぱり鬼や!」と言われる
程度のことをやっています。そこはプロとして当然です。
でもこぼれた子には面談を繰り返して、どうしてできないのかを
しっかり話し合い、こうしてはどうかとコーチングします。

木村は笑って人を刺すと生徒たちは言っているようですけれども
しっかりやってもらうのはやってもらうとして、
疲れているかもなと思ったら、面談というか、声かけというか、
そういうことを生徒の個人baseでやるようにしております。
できない子を集めてやる追試というシステムには限界があるなと
最近は思い始めている木村です。


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