家族進化論
Sawmen

banner

2018年01月11日(木) 本を読まないから時間がない

丸山氏メルマガより引用。
書籍を申し込みました。

チームキムタツの皆さま

【「人口減少」についての本】
木村先生が先週書かれたメルマガに触発され、テーマを同じくする
3冊の本を読みました。
『未来の年表(河合雅司・講談社現代新書)』
『縮小ニッポンの衝撃(NHKスペシャル取材班・講談社現代新書)』
『少子社会日本—もうひとつの格差のゆくえ (山田昌弘・岩波新書)』
です。

1冊目は、人口が急減し超高齢化社会が到来する日本の未来予想図
(とその処方箋)です。
2冊目は、地方自治体に取材し、すでに現実となった未来予想と、
そこで奮闘する人たちの姿を活写しています。
3冊目は10年前の本ですが、記された分析は非常に興味深いもの
でした。人口問題こそ、何十年も先を見て政策を立てていかなけれ
ばならないと痛感します。

『縮小ニッポンの衝撃』の中に、夕張市の「まちづくり企画室」主
幹を務める方のこんな言葉が記されています。
「問題なのは人口が減っていくっていうだけじゃなくて、残った住
民の負担が大きく膨らんでいくことなんです。不便になって負担だ
けが増える。そんな町には誰もすまないでしょう?このままでは将
来の住民一人当たりの負担がとてつもない額になりますよ」

この「町」を「国」に置き換えるだけで、私たちが日々漠然と感じ
ている不安がそのまま言葉になるように思います。「今の子どもた
ちが働き始める頃、社会を維持するために彼らに求められる負担は
とてつもなく大きなものになっているのではないか」という不安で
す。

昨年改定された「日本の将来推計人口」による予測は、これからの
日本が、世界史上類例がないほどの急激な人口減少に直面すること
を示しています。さらに、人口減少と並行して急速な高齢化が進む
のです。『未来の年表』によれば、2024年の日本は「3人に1人
が65歳以上、6人に1人が75歳以上」の「超・高齢者大国」に
なるといいます。
そのとき、そしてそれから社会はどうなっていくのか。知れば知る
ほど厳しい未来予想に慄然としました。

【日本語も…】
私は大学で言語学を専攻し、北米インディアン諸語の1つをテーマ
に研究をしました。英語に呑まれ、消えゆく可能性にさらされてい
る言語です。こんなことも考えます。

『未来の年表』によれば、話題の「日本の将来推計人口」には続き
があって、1000年先まで予測が立てられています。「机上の計算」
では、日本の人口は200年後におよそ1380万人となり、300年後
には450万人にまで減るそうです(今の福岡県くらい)。計算は続き
ます。西暦2900年の日本列島に住む人はわずか6000人、西暦3000
年にはなんと2000人になるとのこと。

日本の人口が減るということは、日本語話者が減るということです。
話者数2000の言語とは、まさに「消滅の危機に瀕した言語」では
ありませんか。日本語が消えてしまう可能性までも、数字で示され
たことになります。

『源氏物語』の文献上の初出は1008年です。2018年現在、日本語
話者は、1000年以上も前にひらがなで書かれた長編小説を、いまだ
に味わうことができます。また、明治以来の先人たちの努力によって、
中学高校のみならず大学での高等教育もほとんど日本語で可能です。
ある時代にこれほど恵まれていた言語が、1000年後には消えてしま
う(かもしれない)とは。

【思うこと】
『未来の年表』も『縮小ニッポンの衝撃』も、1000年後の日本語消
滅にまで連なる(かもしれない)人口減少がまさに始まったその現場に
私たちがいることを伝えていました。

思うのは、「日本社会は縮んでいく一方だし、これからはグローバ
ル化が一層進む。英語くらい話せないとお話にならない」などとい
う言説を大人が子どもたちにするとしたら、ははなはだ無責任だと
いうことです。問題の本質を完全に取り違えています。

1000年後はともかくとして、「日本社会が縮む」とは本質的にど
ういうことなのか、生徒たちの人生と絡めて問題をきちんと語れる
こと。そして、「どのように考えてどんな手を打っていけば、少し
でも前向きな展望が開けるのか」を、生徒たちと共に話し合ってい
くこと。
教育現場に身を置く者が最低限すべきことは、そういうことだろう
と思います。

はたして『未来の年表』に記された処方箋は、行政の視点から見る
とどの程度実現可能なのでしょうか。「戦略的に縮む」という処方
箋です。


 ←潜水  目次  未来→


創 [MAIL] [TWITTER]

My追加