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2005年11月11日(金) 仰天2題(下 -1- )仙人現る !    



 南フランスの田舎にしばらくいた。十月の初めに帰ってきた。南フランスというと、大抵海辺の風光明媚な、ニースだとかカンヌだとかを思い浮かべるのだろうが、85年に南仏に初めて訪れ今日まで海辺の都市や町は行った事がない。
偏に、興味がないの一語に尽きる。だから人から聞かれても答えようがない。

 でまたあきもせずに、いつもと同じ所の同じGite(貸別荘)と思って予約Faxを入れおいたのに、あら大変!去年、2棟続きのいつも借りている大きい方のジットには、静かで心地がいい(TV.ラジオ無)事を知ってか、ペコポン大学の教授(プロフェッスール)が長期滞在、住んでいた。この先生は今年、同敷地内の平屋一戸建てのジットに移って、その後に新たに、ボコペン大学のドクターが、いつもたん譚が逗留するジットを借りていた。
そのことが、フランスに向かう8日くらい前こちらからの確認電話でわかった。
多少泡食ったがなんの、インターネットの時代である。ジット協会につないで、星(epis)を選び、条件を選択してあっというまに、メネルブ(menerbe)村の農家のジットをきめた。

それはよかったのだが、行き方の欄に、
「ボーメッツで、メネルブの方に向かって行く、3キロ行きそれからボーニュウの方へ左に曲がり2キロ行き、ラコストの方へ左に曲がり、一キロで、左に糸杉の垣根の家」
なんて書いてあるきりで、こんな説明で目的の農家につけると思う方がどうかしている。大体方角が書かれていない。ミシュランの地図には、N100とか、小さい道にはD14とか丁寧に記されてあり、これが読みこなせると多少迷っても必ず目的地までたどり着けるようになっている。
一本道ならいいけれど、地図と照らし合わせてみるに、ぶどう畑の中の道は、多く枝分かれしてとてもこの説明文ではたどり着けそうもなかったが仕方ない、

向こうに着いて、飛行場からとりあえずボーメッツまで行って、そこから書かれてある通りに、だいたいの距離を測りながら行ってみた。
この辺は何度となく来てはいたが、多く点在する中の、特定の農家を捜すとなると話は別である。「糸杉」で囲まれた農家なんて珍しくもないし、あちこちにある。
これはメネルブの村(centre ville)へ一旦行って、カフェの親父にでも聞かないとたどり着けないと思いながら車を走らせた。
 ところがである。説明文のとおり、野を超え山超え、ほとんど勘で行ったら、ぶどう畑の向こうに,それも高さ10m,幅20m位の巨大な糸杉塀が、こつ然と現れた。
それでも、こことは限らないので車を止めて、庭をいじっているおばさんに聞いたら、はたしてここであった。なんと一発で到着してしまった。
迷う時間を考えての出発だったので、早く着き過ぎてホテルで言う所のチェックインは午後からで、いれてもらへなかった。
それを幸いに、イルシュールラソルギュ近くのスーパーマルシェに、滞在分のワイン・食料他を買いに行った。その日午後、無事契約を確かめ合って、日本の都会では経験出来ない、真の静けさの中で眠った。











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