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2003年10月13日(月) ヒトラーはすべて悪か?



 映画俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーが、知事に立候補したときに、ヒットラーを賞賛していたと、誹謗中傷されていた。確かにヒトラーは独裁的で、ユダヤ人をこの世から一掃しようとした。それでは金正日のように世襲で出てきたのだろうか?

 ヒトラーは、ちゃんと民主主義のルールの下、ドイツの人達に選挙で選ばれ支持されたのだ。いまだにヒトラーを支持する人々(ネオ・ナチ)もいる。ヒトラーがドイツを治めていた時、ドイツは今の北朝鮮のごとくだったのだろうか?
 ドイツは潤っていた。一人好景気であった。ヒトラーは人々に支持されていた。金正日のように、自分に完全服従する、確信階層以外、最後には500万人(100万人という人もある。)さえ残れば、自国民は死んでも良いというような考えはなかった。ただし、他民族?ユダヤ人は迫害した。

 ヒトラーはイギリスの経済学者ケインズが気がついた経済理論を本能的に知っていて、それで自国を繁栄させ、あれよあれよという間に、国際間協定を破って軍備を拡大し、近隣国に侵入し居座り、拡大を続けた。だが、だれも何も言わない。第一次大戦で疲弊仕切っていた国々は、この程度であれば、大きな戦争にならなくて許せる範囲だろう(当時英国首相チェンバレン)と、ドイツを咎めなかった。

 一人、警告を発し続けたのはチャーチルであった。「今、叩いて置かなければ大変なことになる」といったが、「平和を愛する団体」や「平和主義者」から戦争屋と罵倒された。その結果、どうにも動けなくなり、ヒトラーは其れを巧みに利用し、領土を広げていく。勿論国民に指示されて。領土こそ広げないが、今の日本と北朝鮮にうつして考えるとぞっとする。

 そうして人々が気が付いた時すでに遅し、第二次大戦に突入する。
平和を愛する者達が、戦争を起こすとはそう言うことである。ヒトラーを、持てる力なかばの時に叩いていたら、ユダヤ人の大虐殺(本当にあったらの話だが。たん譚は収容所内伝染病死説をとります。)は起こらなかった
異民族迫害、他国侵略居座りという事を除けば、ヒトラー政権はうまくいっていて、繁栄していたのである。国民は潤っていた。

ケインズの経済理論
例えば、何でもいいから国民(一億人とする)に、大きな穴を掘らせ(ヒトラーは今でも戦車が走ることが出来るアウトバーンを作らせたり、公共事業に力をいれた)て、国はその準備金に一兆円投資し、労働者に賃金を払う、または埋めさせて賃金を払う。すると労働者には一人、平均一万円の臨時収入が手に入る。彼は二割ほど貯金し、後の八割、8000円を買い物・飲み食いすると仮定すると、全体の消費は8000億円になる。この8000億円は使われた先の、店主や酒場の親父、従業員達に収入として懐に入る。これを手にした商店主や従業員はまたこれを二割ほどためて、八割を消費すると仮定する。

そうすると8000x0.8で6400億円使うことになる。それをさらに収入とした人はまた八割を使う、6400x08で5120億円、…とずっと繰り返す。

最初の一兆円、+8000億円+6400億円+5120億円+…となって行く。これの和が、「無限等比級数(数列)」というので出る。これで、算数すると、結果は一兆円の元手で、5兆円の経済効果が出るということになる。

 無限等比級数 S= a (初項・一兆円)÷(1ーr)
  r(公比)=消費の率ここでは0.8
       計算してください。

              ***

●古典派経済学は「はじめに供給あり」と考えたが、ケインズは「始めに需要ありき」と考えた。コペルニクス的転回をした。これを本能的に知っていたのが、ヒトラーだった。


参考文献:日本人のための経済原論 小室直樹










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