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2001年12月09日(日) ホテルの中のホテル



 去年の今頃、何度か大阪のR・カールトンに出向いた。それ以来非常に気に入ってしまって、先日もちょっとした用があり訪れた。
ここのホテルは、他の一見、名が通っているホテルと全然趣を異にする。本当の高級感がある。ヒルトンであろうが、リーガロイヤルであろうが、比べものにならぬ。例えリーガロイアルのスイートが一泊100万円で、R・カールトンのそれが、45万円でも、確実に後者が高級感がある。

 それは、部屋の広さだとかそういうものではないと言うことで、行ってみればわかるが、例えば、5階のジャズバーに続く廊下には、馬をテーマの絵画が掛かっている。何が良いかというと、決して一級の絵画ではないけれど、一つのテーマを元に、自分達の目で選んでいるということに尽きる。
それは、無難に印象派他、すでに知られすぎた絵を飾るのではなく、絵一枚にも、確固たる意志の現れが感じられて、まるで個人経営のプチホテルを思わせるのだ。

ジャズバーは週末は朝一時まで開いている。
ここには、ガキん子がいない、ちゃらちゃら茶髪もみかけない(暗かったので見えなかっただけかもしれない)。
カウンターに座って、ジャズに聞き入って、細巻きのハバナを燻らせている紳士はどこの国の人だろう。この余裕綽々のはとてもまねが出来ない。しかし、多分日本紳士も着物を着て、床の間のある室で、晩酌をするとこのはひとりでに現れてくると思うのだ。
やっぱり、まだ、西洋音楽が本格的に入ってきて60年くらい、服を着始めてようやく100年位では、本能にまだ組み込まれないのだろうか。
あんまり気持ちよく時を過ごしすぎて、ついに最終の電車がないのに気づき、タクシーで京都に帰ってきた。
ここの料理屋、支那料理は各皿事にワインを換えて出てくる。フランスの高級料理屋と同じ趣向。日本料理屋も、突然演奏者が入ってきて目の前で控えめに演奏したりする。まったく心憎い演出なのだ。
最高のホテルだと思う。










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