家族の匂い。
今日わたしが家に帰ると、母はプールへ行っていていなかった。 父はニュースを観てた。 すると玄関が開いた。誰かが入ってきた。 でも母じゃないと思った。ドアの開け方閉め方が母じゃなかった。
あれ、弟? でも弟は結婚してもう家を出ている。この時間に遊びにくることは 滅多にない。けれど居間に入ってきたのは、まぎれもなく弟だった。 ドアの開け方ひとつで弟とわかったその瞬間、「あー、まだ家族 だったんだなぁ」と思った。弟とゆーものは結婚しちゃうと完全に人の ものだからねー。夕暮れ時に少しだけ、ほっこりした気持ちになった。
なにやら甥っ子が水疱瘡になったらしい。 うちの弟は、ワタシが水疱瘡をやったときにうつらなかったので、 33歳になった今でも、まだ発症していない。
今、もしも水疱瘡に感染したら症状もかなり重くなるだろうし、 なにしろ今仕事を休むわけにいかないらしいので、なぜかうちに 避難してきた。
今日から1週間くらい、うちから会社へ行き、うちでメシを食べ、 うちで酒を飲み、うちで寝るらしい。独身気分が嬉しいらしく、 今日もウキウキして帰って来てた。
別に実家が居心地いいとかそんなんじゃなく、うちはテキトーが モットーなので、ダレも彼に構わないのが気楽でいいらしいのだ。 甥っ子の遊んで攻撃もないし、妻のグチもないとくれば、そりゃ 天国だっつーの。
今は母に乗っ取られている、かつて自分の部屋だったところに 陣どって、悠々と好きなテレビを観ているみたい。 少し羽を伸ばさせてあげよう。お父さんは何かと大変だからね。
家から持ってきた荷物の中に、甥っ子からの手紙が入っていた。
「おとおさん、おしごとがんばったね。 おとおさんは33さい。こうきは5さい。 おとおさんだいすき。ききょう市、こうき2004。」
やっぱり年号は入るんですね。 しかもあなたの住んでるところは函館市ですから!残念っ!
|