comfortable diary



映画祭2日目。

パキーンと目が覚めた。
10:30からの上映『自転車とハイヒール』から、ずっとMCを
やらねばならない日だったので、緊張の面持ちで山へ向かう。
MCとは『本日は当映画祭へお越しくださいましてありがとう
ございます。次のプログラムは〜』と司会進行すること。
もちろんスポットライト浴びまくりで。

でもわずか数時間前のハピーな出来事があったおかげで、
やる気モリモリ。
だけど、いざライトを浴びるとやっぱりパキンパキンに緊張。
心臓が口から飛び出そうだった。

『自転車とハイヒール』は深川栄洋監督という私の知らない
監督だったけれど、これがまた妙にあたしのツボだった。
ほほぅ、好きな感じだなぁと好感を持った。
舞台挨拶での深川監督もまた優しげな面持ちで、ぜひお話して
みたいと思った。

2本目は『東京原発』。
東京に原発を誘致しようとする東京都知事(役所広司)の話。
これがまたヒジョーーーーーに面白かった!
コミカルでシリアスで、ゲラゲラ笑ったりハラハラしたり。
あっという間の二時間。絶対にオススメ。

3本目はあの美術監督木村威夫さんをお迎えしての2本。
特に『蒸発旅日記』は素晴らしかった。
あの独特の世界観、銀座吟八さんのどこか現実離れした演技や
背景の色使い、裏返しの時計、私はスクリーンに釘付けだった。

上映が始まるとすぐに、フィルムが停止した。え?@@
なにやらフィルムが逆に設定してあるというのだ。
…が、それは作り手が意識してわざとそういう作りにしてある
のをこちら側が認知しておらず(試写をしなかったこちら側の
不備)、一時騒然となった。いきなり私にスコーンとライトが
当たる。何か説明しろと。

『申し訳ゴザイマセン。ただ今原因を調査中ですので、もう
しばらくお待ち下さい』とシドロモドロでアナウンスを入れる。
二度目のアナウンスを入れたところでやっと上映開始。
死ぬかと思った。もうやだ。こんなのは金輪際やりたくないっ!

しかもほんの10分かそこらの休憩時間内に、ゲストの入る順番
アナウンスを入れるタイミングなどを打ちあわせるので、頭の
悪い私はパニック状態になる。司会は絶対に私に向かない職業だ。

4本目は本日のラスト『1980』。
これは元有頂天というバンドのケラさん(知る人ぞ知る^^;)が
監督した作品。彼はいま「ナイロン100℃」という演劇の演出家。
どんなもんなんだ?と思っていたら、これがまたヤバイぐらいに
面白い!1980年に生きた人なら、誰もが楽しめるに違いない!
会場も爆笑につぐ爆笑で、観た誰もが「面白かった!」と言って
いた。ともさかりえもそうだけど、及川ミッチーや犬山イヌコ
さんの存在がまたいいエッセンスになっていて、すっかりハマ
っちゃった。1980年。わたしは中学生だった。
なめ猫、聖子ちゃんカット、ルービックキューブ、YMO、横浜
銀縄、とにかくツボの連続。頭を空っぽにして楽しみたい人には
ほんっとオススメ!

ゲストもケラリーノ・サンドロヴィッチ監督がいらしてくれて
(個人的にはミッチーもきて欲しかったけれど)40分のトーク。
それを尻目に、私とY嬢はまたまた二次会場へと急ぐのでした…。

二次会場『牛頭Bar』は、我が映画祭で用意した特別スペース。
食べ物もモーリエのママが腕によりをかけて作ってくれた。
朝パン一枚しか食べてなかったのでものすごーくお腹が空いた。
食べようと思ったら深川監督発見!走って駆け寄ってみた。

とても物腰の柔らかい監督で、とても丁寧にお話をしてくれた。
日本の監督では誰がスキかという話をしていて、
「あたしはねー、この監督が好きなのー!」と携帯の待受画面を
見せたら、「僕ね、この監督とケンカしたことあるんですよ」と
笑いながら教えてくれた。「えー、なんでー?」って言ったら、
いろいろと教えてくれたんだけど、ここでは秘密(笑)

次回作『紀雄の部屋』も来年2月から公開。
見に行きたいなぁ…って言ったら、ぜひ来てください、ご招待
しますよと言ってくれた。名刺を交換して、「本当に行っても
いいですか?」と言ったら「えぇ、ぜひ。でも僕、結婚してま
すよ」と念を押された。わかってるってば!Σ( ̄⊥ ̄lll)
モノ欲しそうに見えただろうか…?

ケラリーノ監督とも少しお話した。でかかった。

でも今回はなんといっても、出会いの多い映画祭だった。
3次会場では伊参映画祭の方々がいらっしゃっていたので、乱入。
伊参映画祭は、らぶ監督の『月とキャベツ』発祥の地。
いかに監督がスキかということを、スタッフの皆さんに力説する。
そして来年の伊参には絶対に行くぞ!と固い契りを交わしたので
ありました。そして『月キャベ』といえばこの人!というEさんを
隣に呼びつけ、延々と語ったぐらいにして。

そして近くにいたO氏とも仲良くなった。
O氏は監督の『天国の本屋』のロケを行った石狩のフィルムコミ
ッションに携わる人だ。ここでもまたらぶ監督の話で盛り上がる。
函館の映画祭には、らぶ監督好きの女がひとりいる!という噂が
あちこちに流れていたらしいが「あぁ、あなたがそうでしたか」
と言われたときには、さすがに照れた(笑)

だけどなんてったって今回の一番スゴかったヒトは木村威夫美術
監督!二次会も三次会も出席して、最後にはディスコミュージック
でノリノリで踊ってたし。彼の周りはヒトが一杯でした。
いつもニコニコされていて、話題も豊富。それでいてあのような
素晴らしい仕事もされている。
全てのヒトが彼を尊敬の眼差しで観ていらっしゃいました。
人間かくありたい…と誰もが言っていました。素敵な方でした、
本当に。

なみおか映画祭、あおもり映画祭の面々ともたくさんのことを
語り、ヒジョーに楽しい一夜。気が付いたら3時を回ってた。
いつもは監督の近くをうろちょろしてて、他の方々とほとんど
話していなかったんだなぁと再確認。たくさんの方々と交流する
ということは、それだけ世界が広がって、プラスになることは
あっても決してマイナスになることはないのだと確信しました。
あー、楽しかった。疲れなんて吹っ飛んだよ。




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明日へつづく。


+++ today's movie +++

『自転車とハイヒール』★★★☆
  なんとなくノスタルジックで切なくも可笑しい物語。
  まだ27歳。たぶんこれからどんどんいい作品を撮るんだろう
  なぁと漠然と思わせる監督だった!要注目!

『東京原発』★★★★1/3
  文句なく面白かった。脇を固める個性派の役者たちがこれ
  また秀逸。パニックありサスペンスありコメディありで、
  一粒で二度美味しい作品。原発のこともかなり勉強になるよ。

『弘高青春物語』★★★
  鈴木清順監督の1時間弱の物語。なぜ3つかというと、次の
  MCが気になって集中して観られなかったから。本当はもっと
  高い評価のはず(笑)

『蒸発旅日記』★★★★☆
  全然期待していなかった(スマン!)のが逆に良かった。
  銀座吟八さんは渋くて素敵だし。だけどやはりこの美術なく
  してはこの作品は語れない。汽車の中までセットだもんね。
  まったくもって素晴らしい。

『1980』★★★★☆
  すきダーーーー!本当に好きだわ、この作品。
  完成度がどうのとか、脚本がどうのとか、そういうのは全く
  無視してとにかく楽しかった。目が離せなかったわ。
  観客も目を輝かせて観ていたよ。頭を空っぽにして若かった
  あの頃に戻れる作品でした。

2003年12月11日(木)




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