short shorts film festival2003。
肌寒いハコダテ。 長袖を着て行った先は「short shorts film festival2003」。
「Jam Films」が話題になり、日本でもいよいよ熱くなってきたショートフィルム 旋風。これは観ずにはいられないでしょう!ということで乗り込んできました。 会場は若者の溜まり場、オバさんなんて行ったこともないライブハウス。 (…なのか?行ったことないからわからない^^;)
今回私が観たプログラムは、d、e、アカデミーショートフィルムの3つ。 はっきりいってあまり期待していなかったので、初めからこの3プログラムと決めて 臨んだんだのだけど、こんなに面白いなら昨日から行っておけば良かった。 チクショー!しかもお客はいつものことながら、せいぜい30人くらい。 あーもう、絶対に来年から来てくれない。一体どうなってんだろう、ハコダテ。 市民は映画や観劇、ライブ、どれをとっても興味がないらしい。 ミーハーものにはことごとく弱いくせにさ…。(どこの地域でもそうなのかなぁ…)
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んで感想。すっごく面白かったっす。 最近、無意味に長い映画が多い中(長い映画キライ)、ぎゅぎゅぎゅーっと旨みだけを 封じ込めた作品たち。ダシてんこもり。伝えたいことが明確なのだ。 そして主催者側も、飽きのこない構成をしてくれて退屈することなく集中できた。 観客も至極マナーのよい方々ばかりで、本当に心地よく鑑賞することができた。 大・満・足!(o ̄∇ ̄)/
22本見た中であたしの心に今でも余韻として残る作品は、言わずと知れたポランスキー 監督作品「The Rump」('59)、Gobe Torres監督「Last Stand」('02)、Adam Davidson 監督「The Lunch Date」('89)、Florian Gollenberger監督「I Want To Be」('99)、 Carla Drango監督「Boomerang」('02)の5作。
特に「Last Stand」「I Want To Be」では号泣。素晴らしい。 スタンディングオベーションを送りたいくらいだった。
きっと観る機会も少ないと思うので、あらすじを書きます。ネタバレます。 DVDになるのを待つ方は、すっ飛ばしてね^^
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「Last Stand」
アメリカ騎兵隊の男性とラコタ族の少年は戦火の中で出会う。 敵であるにもかかわらず、人を殺めるという行為に疑問を抱く少年には、瀕死の 兵士を発見するが殺すことができず見逃す。翌日、少年はそのアメリカ兵が気に なり様子を見に行くと、自分の胸に掲げる「ワシ」の模様のバックルのついた ベルトを兵士がしており、それを奪おうとする。(いや、ただ興味を示しただけ なのかも^^;)兵士は少年が自分を殺しにきたと思い必死に抵抗するが、少年は 弓矢もナイフも放り出し、彼の看病をする。言葉は通じなくても、次第に気持ち を通じ合う兵士と少年。朝目覚めると、兵士の傷も薬草ですっかり癒えていて、 熱も下がっている。寝ずの看病をし疲れた少年が傍らで寝ているが、兵士は少年 にワシのバックルを残し、彼を残しその場を去る。目を覚ましバックルに気づく 少年。必死に兵士のあとを追いかける。お互いの言葉で、ありがとうと言い合い、 手を振って別れる。そこにアメリカ兵の上官が通りかかり、少年を撃ってしまう。 上官は兵士に「とどめをさせ、さもなくばお前を撃つ」と銃口を向ける。 兵士にはどうしても撃つことができない。「命の恩人なんだ!助けてくれ!」と 訴えるも上官は聞く耳を持たず、とうとう少年に最期の1発をくらわす。 怒った兵士は上官を撃ち殺してしまう。胸には少年からもらったワシの羽が…。 軍法会議にかけられる若き兵士。判決は銃殺。 杭に括り付けられ一斉に銃弾を浴びせられる兵士。死体となった兵士は、自分の 屍からゆっくりと離脱する。自分の死体を見下ろす兵士。ふと丘の上を見上げる。 そこにはラコタ族の少年が、あのタカのバックルをキラキラと輝かせながら彼を 待っている。ニッコリと微笑み、少年のもとへ駆け寄る兵士…。 The end.
「I Want To Be」
オープンガーデンで虚をつかれたような表情である歌に聴き入る男性。 (場面一転) 18歳くらいの兄と7歳くらいの弟は、将来風船屋さんを開くため100ペソを目標に 毎日を支えあいながら生きている。しっかりものの弟は、アルミでできた缶に 覚えたての足し算で、歌を歌って得たチップや、その他のほんの僅かな稼ぎを 毎日溜め込み記入していた。兄弟は、レストランのゴミ箱を漁ったりしながら その日の食事をやっと賄っている。お風呂にも入れないので身体はいつも汚れて いて、お風呂は公営プールのシャワーだ。路上でいつものありあわせの食事を 摂っているいるところに1匹の黒い子犬が現れる。惜しげもなく自分の食事を 与える弟。兄は怒る。「なんで犬なんかに!」すると弟は「アノ子はまだ子犬 だよ。あの子は僕達と違って本当のひとりぼっちなんだよ。」と答える。 その日から犬は彼らのペットとなる。そんなとき兄はカキ氷売りの少女に恋を する。なけなしのお金で弟に内緒でカキ氷を買い、それを機に彼女と仲良く なる。弟に内緒で兄はアルミの缶から20ペソ抜き取り、シャツを買い、彼女と 食事をする。弟には映画に行って来いとお小遣いを渡して。だけどあともう少し で目標の100ペソになるのを楽しみにしている弟には、どうしてもそのお金を 映画に遣うことはできずに、劇場まで行くが家に戻る。その帰り道、弟は見て しまうのだ。兄が新品のシャツをきて、美味しいものを食べているところを。 絶望した弟は荷物をまとめる。お金も二等分する。そして兄の帰りを待つ。
「どこに行ってたの」弟は聞く。「20ペソなくなったよ。泥棒が入ったよ」 兄は「犯人をみつけよう。でも2人で稼げばまたお金は溜まるよ」と嘘をつく。 正直に話してほしいという願いをかけて必死につく弟の嘘。そうとは知らずに 何事もなかったかのように取り繕う兄の嘘。弟の目は悲しみでいっぱいになる。 「もういい。」荷物を持ち、犬をつれ家を出て行く。必死で追いかける兄。 弟はバスに乗り込み、振り返ることもせず離れていくのだった。
(オープンガーデン) いい身なりをした男性はその歌声に聴き入っている。模様の入ったガラスの瓶 を爪で弾き、それに合わせて歌を歌う浮浪者がいる。幼い頃、兄と歌ったあの 歌だった。弟からは男性の後姿しか見えない。「もしかしたら…」確信にも似た 疑念がわく。すると浮浪者はアルミの箱を取り出し、その中から煙草の吸殻を 取り出し吸い始める。間違いない。煙草を買う金もない兄は、昔からそうやって 煙草の吸殻を缶に集めていた。弟はボーイを呼びお金を払おうとし、アタッシェ ケースをあける。そこにはアルミの缶が。弟はその中からお金を取り出し、チェ ックするのだった。オープンガーデンをでる。浮浪者はゴミ袋に入った荷物を まとめ雑踏の中に消える。高級車で迎えにこられた弟もまた、兄と確信しながら も声をかけずに街中へ発進する。街には風船売りの少女が歩いている。しかし うっかり手を離してしまう。昔とは全く形の違う色とりどりの風船がビルの間を すり抜けて行く。高く、高く…。
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なげーーーー!(苦笑) いや、でも本当に良かったんすよ。 ミチヨの文章力ではその感動は伝えきれないけれども、びんびん伝わってきた。 これは両方とも20〜30分の作品だけど、長編に勝るとも劣らない満足感があった。 無駄な説明や背景がない分、ダイレクトに観客に伝わってくるその波動。 心が揺さぶられる音が聞こえた。本当に聞こえたんだよ…。 |