comfortable diary



いのち。

観てきました、『命』。
とうとう観てきてしまいました、『命』。

そして今、『命』のドキュメント作品のビデオを探し出し、それを
観ながら書いています。

この間のニッキにも書いた通り、少しビビってもいました。
もうどうにでもしてってなくらい大好きな監督の作品であり、いろんな
面でもの凄く縁を感じた作品でもありました。それを目の当たりにする
のが怖かったのかもしれません。でも今日は、「どーんときやがれ!」
ってな感じで妙に清々しく、映画館に向かう車のなかで仲間(篠原監督
ラブ仲間MくんとT子さん)と、「よっしゃー!」と雄叫びもあげた
くらいにして。意気揚々。気合十分。

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2本の予告の長いこと!
でも永遠に続いてほしかったような気もしました。
愛しくなるはずのものに出会う瞬間は、長ければ長いほど喜びも大きい
気がして。東由多加が丈陽くんをこの手に抱いたあのときのように。


*-*-*ネタバレはありませんが、少しだけ内容に触れますよ*-*-*


冒頭のシーンは、思いもよらぬところから始まった。
あぁ、監督の作品だぁ…って胸の奥で叫んでた。
どうしよう、どうしよう、監督がここにいる。
あまりに静謐で、あまりに神聖で、あのシーンがどんなシーンか判らない
原作を知らない人々をも、きっとハッとさせるオープニングだったと思う。

あのシーンだけで、私は確信する。不安がふっとんだ。

絶対に絶対にいい作品であるに違いない。きっとそうだ。

3冊もの作品を、しかもこれほど世を騒がせた話題作を、2時間の枠に
収めるというのは、大変な作業だったと思う。
どこをクローズアップし、どこを割愛するのか。役者の演技力はさておき
作品の出来不出来というのは、第一段階のここにかかってくるような気が
する。実話というのもまた扱いにくかったのではないかと勝手に想像する
のだけど、その点においては「うーむ」と感心してしまった。

私が読んだ3冊の本に出てくる言葉。
ドキュメントで東さんや柳さんが話すエピソード。
柳さんの歌う「オー・ブレネリ」。
(映画では説明はないが)東さんが病床で描く絵本。
どんどんしゃがれてゆく声。幻覚。

いろいろなことが、いろいろな方向から丁寧に描かれていて、そして
それは飾られることなく、そのままに描かれており。
(あ、服装とかは当たり前ですが多少偽りがありました^^;)

私は思った。
これは監督を始めとする『命』に係わる全ての人から、柳美里と東由多加
に対するオマージュだって。

確かにあの短い時間では、柳さんが出産を決意するまでの葛藤や揺れ動く
心情を語りつくせていないのかもしれない。彼女たちがこの15年、どんな
愛の生活をし、どうして今2人で暮らさねばならないのかが柳さんの言葉で
説明されていないので、さも自分勝手で甘えた女性のように受け取られる
かもしれない。

だけど活字の中で私が受けた柳美里という人、東由多加という人を、
少なくとも裏切ってはいないと思う。出来上がった作品とは別のところで、
原作に対する敬意が伺える。そういう誠実な気持ちが、ビシバシと伝わって
きて、私はエンドロールを観終えたとき、一気に涙が溢れたのだった。

まだまだ私のなかでは消化しきれていない。
storyを追い、役者の演技に没頭し、原作と対比したり、次のシーンを予測
したりと、とにかく忙しく慌しくこの作品を一通り眺めただけだからだ。

やっぱり何もかもを排除して、客観的に観ることはできなかった^^;
いろんな思い入れが多分強すぎたんだろうと思う。

だからもう一度観るよ。姿勢を正して。

でもひとつだけわかったこと。というか気づいたこと。

人の意見なんて関係ないや。

私は私の受け止め方をすればいいんだ。

そして監督の作品だからというわけではなく、私の心のなかには、何かの
形が絶対に残ったと思う。誰がなんと言おうと。
その形がどんななのかは今の段階ではわからないけれど。

私はこの作品が、丁寧に作りこまれた作品で、決して手を抜くことなく、
妙に泣かせに走る作品でもなく(だって言葉もエピソードも原作と殆ど一緒
なのだから)、監督を始めとするたくさんの方々が力を込めて作りこんだ
作品だと自分の中では確信できたから、今はとても満足だったりしています。

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観終わったあとは、T子さんは号泣のため目が少しだけ腫れており、プリン
パフェ食べながら『命』を語り、犬のぬいぐるみの名付け親コンテストに
「sea-no」(しーの)と名付け、「オー・ド・ヴィー」ロケ地巡りをし、
一度監督と一緒にお酒を飲みたいと思っていた酒場でウーロン茶を飲み、
充実した一日を過ごしてきました。

どんどんでっかくなっていく監督を少し淋しく思いながらも、だけどきっと
本質は変わらないという確固たる自信を抱きながら、現地妻を夢にみていて
笑われたミチヨでした。柳美里ばりに不倫の子供でも持とうかと(もちろん
監督の)真剣に言ったら、みんな「そうしな」って言ってくれたので、
がんばります。>おいおい。




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2002年09月16日(月)




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