comfortable diary



たかし君。

最近、「生と死」について考えることが多くなった。
でもあまりに壮大なテーマで、途中で思考が絡まってしまってやめてしまう。
去年の父の病気が発端だったのは確かだけど、最近の私にはわからなくなってきた。
生きていくのは辛いことなのか、それともかけがえのないものなのか…。

仕事から帰り、夕刊をみてびっくりした。
「たかしくん、死んじゃったんだ…。」なんだかテレビ欄をみただけで泣けて
きた。「奇跡体験アンビリーバボー」で何回かたかし君の特集をみて以来、
すっかり彼の生き方や、彼の考え方を崇拝するようになっていたからだ。
みようと思ってたわけじゃない。たまたまテレビをつけると、「たかし君」が
映っているということが何回かあった。まるでたかし君に呼ばれていたかの
ようだった。そして彼に会うたび私は彼のことが大好きになった。

詳しいことはよくわからない。彼は重い病気にかかり、ずっとずっと闘病して
いた。まだ小学生でありながら脳梗塞にかかり、後遺症の残る体で学校へ通い、
持ち前の明るさと、笑顔でみんなの人気者だった。
たかし君の同級生たちもまた、彼の病気のことを必死でフォローし、今では
車椅子の生活を余儀なくされた彼を、修学旅行にも連れていくのだ。

「ともだちっていいよ。僕も友達を大切にしたい」
たかし君はこう言った。友達と一緒にいる時間が好き。だから学校が好き。
でもそのせいでたかし君は新たな悩みを抱えたりもする。
自分がいるから皆の足手纏いになっているんじゃないか。みんなの時間を
僕が奪っているんじゃないか。そしてたかし君は鬱になる。小学生の子供が
周りに気を遣い過ぎて鬱になる。その繊細さに心が痛む…。

だけどたかし君は、そんな自分を乗り越えて、「人の役にたちたい。僕に
できる全てをして喜んでもらいたい」と思うようになる。
思うだけじゃない。彼は実行するのだ。自分のできる精一杯を行動に移す
のだ。養護施設のクリスマス会に向けて指人形のお芝居を企画する。
金沢のうさぎに新鮮な人参を送る。
しかも彼は立派にやりとげただけじゃなく、こう言うのだ。
「何の役にも立たなかった僕が、何かの役にたてた。でも本当は僕がみんな
から大きなものを貰えたんだよ。」

たった12年の命。限られた命のなかで、彼はなにを得たのだろう。
生へ絶望し、そしてたくさんの人から生きる勇気をもらい、また生き続ける
希望を与えた。彼が12年で命の火が消えたのにもなにか意味があるのだろうか。
私が33年間生きているのにも何か意味があるのだろうか。父が60年目にして
大きな病気に冒されたのにも意味があるのだろうか。そして偶然にも私が
たかし君にブラウン管を通して出会えたのにも意味があるのだろうか…。

2000年11月24日、彼はたったひとりで天国へ旅立った。
その日も普通に大好きな学校へ通ってたという。
涙が止まらなかった。でもあの小さい体で送り続けたメッセージは、見事に
私の心にまで届いた。私だけじゃなく、彼をみた誰もに届いているはずだ。

たかし君、天国では思いっきり走ろうね。
神様に叱られるくらい走ったっていいんだよ。
もっとたくさんの友達を作ってね、そしてまたあの笑顔を見せてね。

2001年01月18日(木)




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