日々の泡・あるいは魚の寝言

2004年07月14日(水) 商店街の白猫さんは…

数日前、長崎の古い商店街をのんびりと歩いていましたら、洋品店の軒先の、風がよく通るところに、一匹の白猫が眠っていました。

あちこち薄汚れてはいましたが、ちゃんと家がある証拠に、体にはよくお肉がついていたし、通り過ぎる人の気配に怯えることもなく、悠然と、昼寝を楽しんでいるようでした。

その彼を(顔の輪郭からいって、若い雄猫だと思いました)、四年生くらいの女の子と、一年生くらいの女の子が、優しくなでてやっていました。

何回も、何回も。

もっとも、「優しく」といっても、子どもの手加減ですから、たまには、皮膚を引っぱっちゃったり、ぐに、っと押しちゃったりもしていたのです。

でも彼は、目を開けることもなく、気持ちよさそうに寝ているのでした。

そのうち、そばにいた若いお母さんが、子どもたちに声をかけました。
「猫さんは眠いんだから、じゃましちゃだめよ」
(ほんとは長崎弁なんですが、うまく再現できないんで(^^;)
以下の台詞も、実際はどれも、長崎弁です)。

子どもたちは、お母さんの声に、つまらなさそうな顔をしながら立ち上がり、そのそばにいきました。
三人で歩き出して、お姉ちゃんの方がいいました。
「でも、あの猫さん、いやがらなかったよ。ずうっとなでさせてくれてたもん。怒らなかったもん」

すると、お母さんは、その子を振り返って、笑いながらいいました。
「そりゃ怒らないわよ。だって……」

「だって」のあとが、聞こえませんでした。
ちょうどどこかで大きい音がしたので。
そしてその親子は、私とは違う道を行ってしまったので、それっきり、その親子の会話を聞くことができませんでした。

お母さんは、子どもたちに、そのあとなんてはなしたのかなあ、と、私はしばらく想像して楽しみました。

「だって、人間が怖かったでしょうし」
「だって、商店街の猫だから、お客さんには手を出せないのよ」
「だって、お人好しだから(猫だけど)、怒らないの」

私が、いちばん、こんなふうにいったかな、と、おもったのは…
「だって、せっかくなでてくれてるんだから、悪いでしょ?」
かなあ?

私には、あの猫の表情は、そんな風に見えました。




中通り商店街の猫。
結局、通り過ぎたあと、元に戻って撮影。
私が携帯で撮影しても、そのまんま寝てました(^-^)
(でもほら、よくみると、耳だけこっちを向いてるの)。
すのこが涼しげだったなあ。


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