日々の泡・あるいは魚の寝言

2004年04月29日(木) 魔法の庭へ

☆かもめ亭の常連さんの一人、たしかまだ十代の雨子さんから、物語の本をいただきましたので、拝読いたしました。
「魔法の庭へ」(高木理恵子・創元社)。
自費出版のご本で、絵もご自分で描かれているらしいのですが…。

これがね、とても良い本だったのです。
すばらしい完成度の高さを持つ本でした。
この本が、書店の児童書の棚や、図書館の児童書コーナーにあったとしても、少しも変ではないでしょう。
はっきりいって、プロ級です。どうかしたら本だしている人や、新人賞を取っているような人よりも、上手な部分もあります。
(ついでにいうと、装丁もすごくきれいな本でした。絵も上手なんですねえ。表紙が太陽で、裏表紙が月なんですね(^-^))。

構成力といい、文章といい、どうして十代でこんなに書けるのか(^^;)?
児童書のファンタジーに必要な、読者に映像を見せられるだけの描写力もあり、まっすぐで繊細な人生観もかいま見え、哲学もあり。まじめなだけじゃない、品の良いユーモアもあり。切ない思いも上手に描かれていて。
物語と、子どもと、命と、そして、児童文学への愛も感じられ。

とにかく私は、この本はとても好きでした。
児童文学が好きな、一読者として、心から楽しんで読みました。
どんでんがえしでびっくりして、クライマックスの台詞で泣けました。
いろいろでてくる、おいしそうなお料理やお菓子も美味しそうで、子どもの頃の読書の時間を思い出しました。やっぱり、児童書は料理よねえ(笑)。

雨子さん、いい本を送ってくださって、ありがとう。
あなたは、作家になれる人です。がんばってください。
安心していて、いいです。才能は、あります。断言する。あとは運!

それと、あきらめないこと。
どんなに才能があっても、チャンスが来ないと、新人賞は取れません。編集者との出会いもありません。
いつ訪れるかわからない、自分のチャンスの波を、いつまで待てるか…。
あなたの場合は、それがポイントかもしれません。
(ちなみに私の場合、最初にだしたコンテストから、最終選考まで残るレベルの作品がかけましたが、その後、新人賞を受賞するまでに、十年かかってます…。その間、何度もコンテストの関係者の方々から、「惜しい」と連絡受けたり感想もらったり、励まされたりしてました…。でも、それでも、十年かかったなあ)。

いつも私は、作家志望の方や、新人の方の物語を拝読する時に、おせじやお愛想はいわないようにしようと思っています。
そうすることは、ただの社交辞令であり、結局は嘘に他ならないから。
逆にいうと、私がここまでほめるということは、本気で、雨子さんには、才能がある、と、私が思ったということなのです。
自分の言葉に責任をもっちゃう、ということなのです。

ただ、一方で、このお話を、「よくあるファンタジーだ」と切り捨てる人もいるだろうな、とは思います。
あらすじを(表面的に)まとめると、「魔女の血をひく女の子が、試練を経て魔女になって、異世界を救う話」ですからね。
お話のモチーフが、妖精物語であるところも、「ありがち」という人はいうでしょう。いろんな過去の児童文学の影響を感じさせる描写も多い。
既存のモチーフを多用して書かれた物語だというところが、この話の魅力でもあり、弱さでもあるでしょう。

でも、この物語の、透明感あふれる世界の描写や、色彩の美しさ、クライマックスに向かう物語の流れの、パズルを組み立てるような自然で心地よい巧みさは、決して、「ありがち」なものではなく非凡だと、私は思いました。
また、キャラクターの造形も、センスが良いと思います。
小道具の使い方も巧いし、舞台設定も上手です。文章も巧い。
そして、やはり、人が人を思う心や、素直に思いを伝えられない切なさを、大切に描写しているあたり、誰もができることじゃないよなあ、と思います。
それに、正統派な児童文学なところも、ポイント高いですねえ。
「なぜ自分が子どもの本を書くのか」というところが、魂でわかっている人ですね。子どもの本を、ちゃんと読んで愛してきた人なんでしょうね。

これからあとは、オリジナリティーをなんとかだすようにしながら、もっと長い枚数をかけるように、何作も何作も書いてゆくことでしょうね。
作品の数を多く書くことが、あなたの場合、レベルアップにつながると思います。たくさんかいてください。
あなたは、それでいいです。

今日の日記の内容は、雨子さんに、メールで書いた方が良かったのかもしれない。
でも、記念に残しておきたかったので、日記に書いちゃいました。
雨子さん、あなたの物語は素晴らしい。
いつかきっと作家になって、何かのエッセイとかで、「昔、村山早紀という童話作家の人に、励ましてもらったことがあるんです」って、思い出話を語ってください(笑)。

☆<香水日記>
今日の香りは、YSLのインラブアゲイン。
これはですね、実は一度、あわないかな、と思って、桐矢さんに進呈しちゃったんですが、その後、香りが恋しくなって(笑)、また買っちゃったんです。<って話は、まだ書いてなかったですよね(^^;)?

グレープフルーツと、ムスクの香り。
なんだか、なにか懐かしい、思い出に残るような香りです。

☆月曜日の夜の十時過ぎに、東京から家に帰り着いたあと、元気だったので、朝までかかって、不在の間に届いていた郵便物の整理をしたり、旅の荷物のあと片づけをしていたんですが…。
その翌日、一日、ばたばた連絡とったり、仕事したりしていたら、昨日今日と、さすがに疲れが出たのか、過呼吸とか頭痛とか、そのへんにおそわれてました(^^;)
やっぱ、体力と気力は、過信しちゃダメってことなのね。
もっと慎重になろうと思いました。

しかし、起き抜けの過呼吸は辛い。
何が起きたかわからないから。

☆締め切りが迫ったお仕事がいくつかあるんですが、気持ち的には、締め切りはかなり先の「アカネヒメ5」を書き上げたくてしょうがないので、かいちゃおうかなあ、という感じです。あれは55枚くらいだから、一息で書けるし。いつかは書かなきゃいけないものなんだし、いま、かいてしまおうかなあ?


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