日々の泡・あるいは魚の寝言

2002年01月15日(火) 酷評とロシアの腕時計

さてさて。
仕事が、少しだけ一段落して、私に時間がもどってきました。
(ごく短期間のことですが…)。
今後、ホームページ関係のことをしたり、買っていたビーズのキットで指輪を作ったり、書評用の本を読んだり、お茶を飲んだり、と、のんびりしたいと思ってます。あ、また、温泉にも入りにいきたいな♪ 入浴料が千円を超すのは高いような気もするけど、ビル街にあって、バス代150円でいけるってのは、それを補ってあまりある利便性だもんなあ。

今日は、とりあえず、通信講座(児文協で講師をさせていただいているあれですね)のお弟子さんの作品を二作読んで、感想をお送りしました。
一作は、かもめ亭の常連でもある椎名かえるさんの作品なので、読んですぐにメールで送れるんですが、もう一作は年輩の女性の方で、郵便を使わないと送れないので、今日は午後から郵便局で、その人の分の添削をしてました。
うちの近所の郵便局は、わりと大きくて、書き物机や自動販売機があるので、そこでコーヒーを買って、のみながら、お手紙書いたりすることがよくあります。
まわりに、誘惑するようなものがないし、適度に人がざわついているので、神経集中しやすいんですよね。書いた後、すぐに、封をしてだせるというのも、いい。

ちなみに、郵便で添削する場合、私は、原稿をコピーして、それに赤で書き込み、手紙を添えて、原稿といっしょに返してます。
他の先生方はどうしてるのかなあ? きいたことないから知らないけど。

何回も、読んでいるうちに、お弟子さんたちの作品の、よいところ悪いところが見えてきたので、今日はちょっと、郵便で送っている人宛の手紙には、きつめのことを書いてしまいました。たぶん、読んですぐはめげることでしょう。怒るかもしれない。でも、時間がたつうちに、私がいいたいことはわかってくれると信じて書きました。
私自身が、新人時代やデビュー前に、他人からもらった評価をそのときはなかなか受け入れられなくて、でも、時間がたつごとに、「なるほど」と思えるようになった経験があるから、わかることです。
(ていうか、わからないタイプの人は、プロには向かないかもしれない…)。

作品を酷評されても、反論しないのが(正しい)プロです。
まあ、あきらかに読んだ人の「記憶違い」とかで、いわれのない酷評をされた場合には、まだぎりぎり反論も許されるでしょう。
でも、それもほんとは、かっこいいことじゃないんだなあ。

相手のよみそこないで、酷評された場合は、「誤読を誘った私の書き方がいたらなかったんだ」と、反省するのがプロでありましょう。
趣味の違いから酷評された場合は、「趣味が違う人が読めばこう読めるんだな」と、うなずいて参考にしましょう。
相手に人生経験が足りなくて、酷評された場合は、「いつかわかってくれるよ」と信じましょう。
ていうか、そう言う人に私はなりたい(笑)。なろうと思ってる。

大体、作家がへたに反論すると、次からはまともな感想が聞けなくなって、損をするものなのです。
私にも、若い頃に、苦い経験があります。
友だちや、同業の先輩から寄せられた作品に関する感想に、つい、反論してしまった。それは、今思っても、それなりにまともな反論だったんですけれど、それっきり、そのふたりからは、ほめ言葉しか聞けなくなっちゃった…。
それ以来、私は、どんな酷評も、誤読も、黙ってきくようになりました。
ま、あきらかな誤読なら、相手が友だちなら、反論することもあるけどね。

で、添削をするために、私は郵便局に行ったのでありますが、ついでに、時計屋さんを経由しました。
連休中に買ったロシアの腕時計に、電池をいれるためです。
そう。時計は止まっていたのです。それでもかわいいから買ったんですが…。
赤い小さな文字盤で、ガラスにはちょっとカットが入っていて、針は金色。ベルトは金メッキで、唐草模様の透かし彫りになっています。

蓋を開けた時計屋のおじさんは、びっくり仰天。
「あの〜これ、手巻きの時計ですけど?」
「ええ、なんですって?」
…おいおいおい。
時計を買った輸入雑貨屋さんのお姉さん、胸を張って、「電池で動きます」といった君、手巻き式だってさ〜。
実は、最初時計を見たとき、私は、「あ、手巻き式だ」と思ったのです。でも、お店の人がそうじゃないというから、時計屋さんにもっていったのですが…。

時計屋のおじさんは、きちんと蓋をし直して、ねじを手で巻いて返してくれました。
何もしなかったということで、料金は無料です。
そして、笑顔でいいました。
「手巻き式もいいものですよ。電池と違って、一生ものですからね」

なんだか、楽しい気持ちになって、お店を出ました。
手巻き式の時計は、一生もの。
そういえば、中学生の時に買ったディズニーの時計は、今も動いてます。
この時計もそれくらいもつのかしら?
金メッキは、あんまりたたないではげちゃうかもしれないから、大事に使おう。
よそ行きの時計だね。
でも、毎日、植木に水をあげるような気持ちで、ねじを巻きましょう。

あ、ただたったひとつ、難点が…。
私は、手首が細いんです。手も小さくて、柔らかいんです。
ロシア人の女性向けのサイズの時計は、ベルトがおおきすぎます(涙)。
とりあえず、留め金をつけはずしする必要がないんですけど…。
おとさないようにきをつけなきゃなあ。
服の上から、ブレスレットみたいにしてつけるしかないかも。


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