アカネヒメ物語2が、先日やっと書き上がったところです。 無事出版されますと、12月はじめ配本の本になる予定だったと思います。 …ばりばりにクリスマスネタなので、なるべく早くでてほしいです(笑)。
今回、岩崎書店編集部に、私が最初に送ったあらすじは、こういうものでした。
「公園に捨てられた古い木馬の夢は、サンタクロースのそりを引くことでした。 一方、ある若者は、サンタクロースになることを夢見ていました。 二人の夢を、アカネヒメとはるひが叶えます」
…こういう曖昧模糊としたアイディアを提出されて、GOサインをだしてくれた、岩崎書店さんは、偉大です(笑)。
でまあ、もっと細かいあらすじを考えた上で、原稿を書いていったのですが、すると、途中で、木馬のエピソードが変わっていって、木馬はただの小道具になってしまい、「サンタクロースの子孫である」(と、はるひに自らを語る)大学生メインの物語になっていっていました。 アカネヒメは、50枚の話なので、ゲストキャラがふたりは多いのです。
で。木馬は中心じゃなくなったんだけど…。 雰囲気とごろがいいので、タイトルはそのままでいくようですね(笑)。
今回の物語には、例のアメリカのテロの事件が影を落としています。 いや、私の心の中に、影を落としていたので、しっかり反映されました。 そう、私は自分の心の傷を、無意識のうちに、トレースする作家なのです…。 傷をなぞって、自分で納得させないと、立ち直れない作家です。
あのテロ事件は怖かったです。 いろんな意味で怖ろしかった。
身にしみて怖かったのは、友人知人が、死にそうに思えたことでした。 最愛の弟子椎名かえるさんのご主人が、あと少しで助かったこと。 かもめ亭のMeatianさんが、当時中東にいたこと。 どちらも、心が凍るほど、怖かったです。 無事でよかった、という言葉をここで書くのは、亡くなった方々のことを思うと、無神経に思えますが、でも、本当に、おふたりが死んでしまっていたら、どんなに悲しかったかと思います。
結局、テロのあとは、まる一週間も、仕事ができなくなったのですが、そのあと、少しずつ物語を完成させていったのが、「夢みる木馬」でした。 書くのがつらくて、ストレスで顎が痛くなってしまって、食事もろくにとれないような状態になって、やっと、書き上げた作品です。
私にとって、また一作、大切な作品が描けたと思っています。
画家の森友さんが、原稿を読んで、とってもよかった、やっぱりうまいねえ、と電話でほめてくれながら、一言いいました。 「ずいぶん、苦闘して書いたでしょう?」 …鋭い人なのでした。
おっと。明るい話題。 今度のアカネヒメは、右ページ下のカットが、森友さん入魂のパラパラ漫画ですよ〜♪ うさぎさんのアニメです。乞うご期待!
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