CORKSCREW Diaries(米国編)
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2002年08月25日(日) ハロー今君に素晴らしい世界が見えますか? 北欧旅行記二日目


2002年8月25日 スタヴァンゲル


疲れていたのにも関わらず朝早く目が覚めた。6時50分。
そうは言うものの日本時間に直したら昼の1時50分。そりゃあ目も覚めると言うものだ。
かなり爆睡した。疲れ切っていたものなあ。

本日の予定はリーセフィヨルド。
そこにある海抜600メートルの高さにそそり立つ岩なのだ。「教会の説教壇」って言うのがプレーケストーレンの意味なんだそうだ。ま、意味なんてどうでもいい。地球の歩き方に乗っている写真を見て、そのすごさに驚愕してしまってから、ここは絶対に行く! と決めていたのだ。だって写真見ただけでもすごいんだもん。外す訳にはいかないでしょう。
プレーケストーレンからの眺めは絶景と呼ぶに相応しく、そして其処に至までは二時間ほどの山歩きをしなければならないと言う初日からハードなスケジュールなのだが、ま、日程的に厳しいから仕方ないね。


しかし高級ホテルなんて滅多に泊まったことがないから勝手が分からん。今井くんは風呂の湯を溢れさせるし。しかし何処にも排水溝が見あたらないこのホテルの風呂!!!
おかしい!おかしすぎる。まあ万が一の時に保険はかかってるけど。
水浸しの浴室じゃ用を足すのも苦労するんだけどなあ。
それにしてもこんな高級ホテルあんな深夜に来ただけでは勿体ない。
とかとか思いながらも贅沢は敵なので出来れば、移動を企む我々(と言うよりも僕)であった。まあともあれ予定はカツカツなのだがインフォメーションは九時にならないと開かないからそれまでは食事でもしながら待つ。
朝食は当然の如くバイキング形式であった。北欧の物価は死ぬほど高いのでお腹一杯に食べる。うーん、しかしすごいね高級ホテル。朝食の種類とかも違いすぎる。フルーツも盛りだくさんだし、ベーコンもハムもチーズも何種類もそろっている。素晴らしい。
ま、値段を考えると当然なんだけどさ。
美味い! 最高! さすがにヨーロッパは朝食に限る!
しかし最初からこんなに高級ホテルは絶対失敗だよなあ。最後ならともかく・・・


朝食にかなり満足した後、インフォメーションが開くのを待って向かう。ホテルを変えるかどうかも考えなきゃいけなかったのだが・・・
が、が、なんと、プレーケストーレン行きのフェリーはもうすでに出てしまったとのこと。いや、正確に言うならば、プレーケストーレンの麓に向かうバス(観光客用)がもう既に出てしまったそうなのだ。ガーン(x_x;) 今回の旅二度目である。
プレーケストーレンに行く為にはまずはタウと言うところまでフェリーで渡って、そっからプレーケストーレン・ヒュッテと言うプレーケストーレンの麓までバスで行かなければならない。タウまでのフェリーは一日何本も出ているのだが、プレーケストーレン・ヒュッテに直行するバスは、あくまで観光客用と言うことで、一日に何本も出ていないのだ。タウからその先の街までバスで行って、そこから先はタクシー使っていくしか無いわね。とインフォメーションでは言われた。
しかしこれは致命的。どうすんねん。昼過ぎにバスは出るのだが、それではスタヴァンゲルに帰ってこれないのだ。ううむ、どうしようかこれ。
とりあえずはRADISON SASホテルに今夜も泊まるしかないね。
宿を移動している場合じゃない。しかしどうするよ〜。

と、途方に暮れているところに、同じようにしてフェリーを乗り過ごしたドイツ人グループが、タクシーをシェアして一緒に行かないかと声をかけてくれた。本当? 困ってたんだよ。ダンケシェン! 困ったときは本当にお互い様である。喜んでこの申し出に、便乗させて頂くことにしたのであった。ううむ、思えばこれが今回の旅の試練の始まりだったのかも知れないなあ。


旅の技術ってのはそれなりに持っているつもりなんだけど、やっぱりこう言う窮地に陥ったときって困る。ドイツの人たちがいなかったら僕らどうなってたか分からないものなあ。ま、とりあえず10時10分発のフェリーに乗るという約束をして一旦ホテルに戻る。一日同じ価格で延長はOK! これで今宵の宿は確保したから安心だ。


かくしてフェリーに無事乗ってタウまで向かう。船って言うのは楽しいね。
北欧は寒い寒いと聞いていたけど、8月の終わりのノルウェーはそれなりに暖かい、って言うか暑くって、セーターとかちゃんと持ってきたのに全然必要なかった。しかしちゃんと辿り着けるのだろうか・・・ちょっと心配だ。ま、タウまでは問題無く着くだろうからね、なんとかなるでしょう。


が、ここでも何ともならず。
タウからのバスが、無かったのだよ。と言うのも今日は日曜日で、バスの本数が全然無かったって言う訳。北欧の土日は本当に極端に街は静かになるんだよねえ。旅人には辛い。困った困った。
と軽く言っていられる状況では全く無い。だってバス無いんだもの。次のバスを待ってたら今日中に戻れなくなる。もし我々ふたりとか自分1人だったらパニックに陥っているだろうなあと思われる。絶対。
が、ドイツの皆さんはさすがと言った感じで、ちょっと歩いた先のコンビニに行って、電話して8人乗りのタクシーをチャーターしたのだ。向こうの人も5人もいるんだから、なんでわざわざ二人連れの僕らを誘ってくれたのか分かんないけど、本当にこれは助かった。多分僕らだけではどうすることも出来なかっただろうね。フェリー乗り場にはタクシーなんて全く止まってなかったし。タクシー呼び出して連れていってもらうなんてこと出来ないわ。第一そこまで英語で説明できるかというとかなり怪しい。
それにしても8人乗りのタクシーなんて外国にはあるんやなあ。
ってワゴン車なんだけどね。

外国人の行動力の違いを見せつけられた気がしたよ。とても僕では考えつかないもんなあ。この人たちが僕らを誘ってくれてなかったらもうプレーケストーレンに行く事はあきらめてたね。ラッキーとしか言いようが無い。
道中、折角だってんで、ワールドカップでドイツの試合を観てきたと言うことを言ってみたんだけど、僕が話してみた人はそれほどサッカーに興味が無いみたいだった。残念。向こうも5人組の集団だし、こう言う時に交流ってのはしにくいよね。難しい。
かくして無事にプレーケストーレン・ヒュッテに到着。
1人あたり72NKR。これぐらいで済んだのは大勢で来たからだろうなあ。
ダンケシェンと告げて、ここから先は別々にプレーケストーレンに登る。帰りのバスは4時頃。後5時間はあるから十分往復可能だろう。


で、プレーケストーレンに登山の巻なのだが、これ、思った以上にハードだった。聞いてないよこんなにハードだなんてさ〜。トレッキング? 否! 山登りだよこれ。
地球の歩き方には片道二時間、そして現地の標識には一時間半かかるってあったけど、
それ相応の時間はかかりそうだわ、こりゃ。
大抵こう言うところの表示って標準時間より多めに書かれているものなんだけどさ。無理だこりゃ。
それとも一時間半というのはカラダのでかい欧州人向けの標準時間なんだろうか?
僕らも頑張って歩き続けているんだけどさっきのドイツの若者たちに追い抜かれる。くっそ、足の長さの違いか!(笑)

でもドイツの人ってなんか思ったより案外陽気なんだなあ。寡黙で質実剛健なゲルマン魂、ってただのイメージで、アバンギャルドな感じの人も結構いる。仲間で大笑いしている姿を見て、なんかドイツにすごく親近感を感じてしまった。こっちは寡黙な日本人ってそのままのイメージだったのだろうけどね。

こんなところまで出かけてくる日本人も全然いないと思い気や、結構来ていたりする。
おっちゃんおばちゃんばかりだけど・・・若者いねえ。みんなツアーかなあ・・・彼らは我々の如くバスに乗り遅れたりすることもないのであった。ま、どこかでバスをチャーターしてるとは思うけど。


しかし暑い。暑すぎる。。。
いくらノルウェーが涼しいと言ってもそりゃあ山登りをしたら暑くなるに決まってるよなあ。欧州系の人たちはかなりの割合で上半身裸である。ドイツの若者たちも上のTシャツ脱いでるよ。さすが。
女性もビキニの上だけって人は多い。それも若い若くないを問わずに。いい眺めだ(笑)
で、僕らもやってみる。おおっ、これは涼しいではないか。
やっぱり外見を気にしたらあかんね。
外国人はお腹が出ていようがそんなの全く気にせずにいるじゃないか。
欧米人はとくかく、実用的だ。
暑いと思ったら外見は気にせずに脱ぐ。モデルでもないかぎりたぶんそれほどファッションにもこだわりをみせないのだろうか。だからフットワーク軽く行動することが出来るのだ。
日本で山登りして暑いからってシャツ脱いだら結構奇異の目で見られること必至だね。
それがどうしたって言うのだ。
しかし現実として上半身を脱いで歩いている日本人は我々二人だけだった。
ま、若者がいなかったって言うのもあるんだけど。
もっとこう言う実用的な部分を見習うべきであると激しく思う。
関係ないが、他の地域では結構いる中国韓国系はここにはあまりいなかったなあ。
ノルウェーまで伊達と酔狂で来るのは日本人ぐらいなのかな。


ま、結構ハードな道のりだったけどやっぱり二人で行くとそれなりに気楽だった。
旅は道連れ、世は情け。今井君には感謝感謝でございます。


と言うことでプレーケストーレンに遂に到着した。すごい。
観光地だから人も沢山いたけど、ここはまさに絶景。
このすごさは、来た人にしかどうやったって分からないだろう。
突き出した岩には、安全のための鎖とかで囲まれているとか言うことはなく、身を乗り出して下をのぞき込むことも可能。600メートル下の海面を見ていると吸い込まれそうになる。
プレーケストーレンの上で、裸の男二人で記念撮影。
日本人の女性に頼んだ。彼女がこの上半身裸の日本人をどう思ったかは不明。
外国にまで来て日本の人に日本語で頼むって言うのはなんか不本意なんだけど、
ちょうどタイミングよく居合わせたので頼んでみました。ありがとう。結構いい写真だったね。
セミヌードを公開してしまえ!


そうやって後は帰るだけ。山登りって言うのは案外下りの方がしんどかったりするんだけどね。
しかし初日からこんなにハードなことをしてしまって良かったのだろうか。すでには足はガクガクしているのだけど。で降りるときに思ったのは、こんなキツい所登ってきたんだなあ・・・と言うこと。
やれやれ。よく来たよ。でもそれだけの価値はあったんだけどね。
行きに比べると余りにも書くことが少ない帰り道。
ま、ひとつあるとすると、真っ黒な服着ておよそ山登りするとは思えないような人(しかも東洋系)とすれ違ったって言うこと。ちょっと気味が悪かった。自殺でもするつもりだったのか? ひょっとして。
プレーケストーレン、あんなところから飛び降りたら一発で死ねるだろうね。
案外ノルウェーでは有名な自殺の名所なのかも知れません。
自殺するために二時間も山登りはしたくないけど。



帰りのバスには十分間に合った。結局昼食はカロリーメイトで済ませてしまったなあ。
レストランで何か食べても良かったのだがハンバーガーが1500円とかとか言った値段。もういいわ。
物価の高さだけは本当にどうにもなりません。
ちょうどドイツの若者たちも帰ってきている。みなさんお疲れさま。
疲れたね。まさかこんなにハードとは思わなかった。
まあ、プレーケストーレンだけは本当に上手く行けるかどうか心配だったから、無事に辿り着けてよかった。今君に素晴らしい世界が見えますか?


元来た道をバスに乗って、船に乗ってフェリー乗り場まで戻る。
フェリー乗り場にフェリーはまだ来ていなかった。しばらくぼんやりしながら船を待つ。
次第にフェリーに乗るために車やバイクがやって来る。
そう、ノルウェーではフェリーと言うのは本当に重要な交通手段となっているのだ。


フェリーの中で先程写真を撮ってもらった女性と再び出会ったので話をした。
一ヶ月も旅をしてるんだって。すごいなあ。
10日間なんて本当に短いよなあ。羨ましい。
スウェーデンの話を聞かせてもらって、すごく楽しい一時をすごす。
いいよねえ旅人同士の会話って。
別に若い女性だったから話した訳では決してありません。
今井くんに言わせるとこれもナンパなのかも知れないけど。
でも旅人同士の会話は本当に楽しい。
想像力とか、感性とか、そういったものをすごく刺激されるんだよね。


スタヴァンゲルに戻ると6時。
当然の如くまだまだ外は明るかった。
日本時間はすでに夜中の1時。正直言って眠いことこの上なかったのだが、
もう少し行動してみようと言うことで、パンフレットの表紙に載っている剣の形をしたモニュメントに行く事に。正確な名前、よく分からなかったのだが、とにかく写真を見た瞬間すごく気になったのだ。

教えてもらったバス停からバスに乗って、15分ぐらい乗っていたら辿り着いた。
しかしどうも教えられたバス停が間違っていたのかそれとも間違って降りてしまったのか、かなり手前だったらしい。そして例のごとく道に迷う。
もう少しでノルウェー軍の基地みたいな所に入ろうとしてしまう。
衛兵さんがどうみても怪しい東洋人旅行者の僕らにまで敬礼するので、これはヤバいと思って退散。
その後民家の人に道を聞いて辿り着いた。
農地の脇道みたいなところをすり抜けて、歩いたら、そのモニュメントは見つかった。
歩いた道はノルウェーの牧歌的な風景で、それがすごく良かった。
モニュメントの周辺は公園みたいになっていて、そこでフリスビーをしていたり、犬の散歩をしていたり、ああそうだ、今日は日曜だったんだなあってことを改めて実感。
こう言う風景ってとても好きだ。
穏やかな気分になれるもの。

そうして、スタヴァンゲルの夕陽が沈むのを見届けて、またホテルまで戻ってきた。
ハードな一日だったけど、とても充実した一日だったなあ。
明日はスタヴァンゲルを朝発って、そしてベルゲンに向かうのだ。







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