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第一印象 - 2003年01月06日(月)

人に対しての第一印象があるように
本にも第一印象があるのだと思う.

まあ,本だって,それを書いた作者や表紙を考えたデザイナーや帯のあおり文句を考えた編集者がいるのだから間接的には「人」に対しての第一印象といえるのかもしれないけれど.

とはいえ,まあ本という「作品」への第一印象というのはやっぱりあるんだと思う.

私は,あまり人に対しては第一印象というものに囚われないようにしているつもりだけれど
それでも,最後に疎遠になっていく人は第一印象に「苦手」意識を抱いた人のような気がする.

けれど,逆に本の場合は,この「第一印象」というのを大切にしている.
新聞の書評や,雑誌の広告欄なんかで見かけて手にとってもいないのに「気になる」本は,たいていが私にとっては「アタリ」だ.

今日買った本も,結構前に新聞の広告欄で見かけた本だった.
タイトルよりも,やはりあおり文句に引かれた
そこにはこう書かれていた

 最高のものを探し続けなさい。
 そして謙虚でいなさい。
 憎しみはあなたの細胞まで傷つけてしまうから。

これはこの本の帯にも使われている.
その本とは

よしもとばなな作「王国 その1 アンドロメダ・ハイツ」

吉本ばななは一時期はやった「キッチン」や「TSUGUMI」すら読んだことがないけれど,「この本とはきっと合わないだろう」というのが,第一印象だった.

それは,もしかすると作品に対してではなく「吉本ばなな」という名前に対しての第一印象かもしれない.
しかもそれは「食わず嫌い」な感想でもある.

でもこの「よしもとばなな」には何も思わなかった.
書店で見かけるたび,この本が気になっていた.

で,本日店頭でぱらぱらと中身を見て,やはり買うことにした.

そして,今日のうちに,読み終えてしまった.
読みやすいということもあるのだろうけれど,なぜかこの本には「宝物」がつまっている気がした.

分かっていたけれど,漠然としていたけれど
はっきりと言い表せなかった思い.

例えばこんな表現があった

 少し前は失ったものを嘆いてばかりいたが、今となってはなにも失ってなんかい なかったことがなんとなく分かる。
 自分の体と魂、それを持ってさえいれば、欠けるものはいつでもなにひとつなく て、どこにいようと同じ分量の何かがちゃんと目の前にあるようなしくみになっ ているのだ。

そうだ.
私は何も失ってはいない.
何かが欠けたわけでもない.

思い出は,いつも,何をしても増えていくばかりで,減っていくことがないように
人には失うという行為はできないのだ.

ただ,全部を持つには重過ぎるから,人は「欠けた」と思うものに目をやるだけで,代わりに得ている「何か」に目をつぶってしまう.

でもきっと,その「何か」にはいつかちゃんと気づく.
もしかすると,それを「強さ」と呼ぶのかもしれない.

やっぱり,「第一印象」は結構大切かもしれない.
 



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